起業をしたいと思っている方が、一番最初につまづく課題、「どんなアイディアで起業をするか」です。起業アイディアは、オリジナル性の高いものをひねり出す必要はありません。真似ることから始めて良いのです。その理由をご紹介いたします。

起業するにはアイディアが必要

 起業をするにはもちろん、どんなサービスで起業するのか、またどんな種類であれば成功するかなど疑問がつきもの。また、できれば失敗のリスクができるだけ低いアイディアで起業したいと思う方も少なくないでしょう。

今回は、起業を将来的に視野に入れているが、どんなことで起業したらいいか迷っている、もしくは、ローリスクで起業を考えている方に、手軽に起業できるアイディアと、国内海外の成功事例を見ながらご紹介していきたいと思います。

そもそもなぜアイディアが出てこないのか?

・ニッチすぎるアイディア、尖ったアイディアにニーズがある、成功するという思い込みがあるから

起業を考えるにあたってほとんどの方が「起業のアイディアが浮かばない」という壁に当たります。しかし、まず、この「起業のアイディア」がどんなものなのか、よく考える必要があります。

起業のアイディアにおいて、オリジナル性の高いもの、つまりまだ世に出ていないサービスモデルを立ち上げる前提でアイディアを出そうとしていませんか?

オリジナル性の高いアイディアを出そうとすると考える、自ずとアイディアの数も少なくなってしまいます。企業におけるサービスモデルの種類、ビジネスモデルは、現時点で実は多く存在しているのです。

現存しているサービスモデルを倣っても失敗するとは限りませんし、ローリスクの観点から言うとオリジナル性の高いアイディアは、成功事例も少ないため、事業の展開も未知数、むしろ失敗するリスクも高くなるという点を念頭に入れておいたほうがいいでしょう。

起業のアイディアはオリジナルでなくても良い

連続起業家であり、著書『サクッと起業してサクッと売却する就職でもなく自営業でもない新しい働き方』を出版されている、正田圭氏も、著書内で起業をしたことない人が思いつくアイディアで成功すると保証はどこにもなく、すでに利益を出しているような成功しているサービスモデルを真似することから始めるのが正解である、と紹介しています。

まず、アイディアを出す前に、頭の中にあるオリジナル性の高い起業のアイディア、イコール成功するという方程式を捨てることから始めましょう。

起業のファーストステップは「真似る」ことから始めよう

TIGALA株式会社代表でもあり、起業経験の多い田中圭氏は、ご自身の著書で、まず起業する際にすでに利益が出ているサービスを真似ても良いと紹介しています。

最初に間口の広い事業アイディアで起業し、軌道に乗ってから狭いニーズやオリジナリティあふれるサービスに事業展開することも可能になります。

しかし最初からニッチなアイディア、ひねりすぎたアイディアで起業してしまうとこの事業転換(ピボッド)がしにくくなり失敗の確率が高まることを示唆しています。

上記を踏まえると、まずファーストステップとして、初めての起業はすでに成功しているサービスを真似ることから始めるのも一個の手段だと言えるでしょう。

アイディアの見つけ方

アイディアの見つけ方ですが、まずは現存するサービスの種類や、ビジネスモデルを理解することをお勧めします。
ビジネスモデルという言葉は、様々な意味で使われますが、この記事では、「ビジネスにおいて、継続的に利益(金銭)を出せる仕組み」としてご紹介致します。

このビジネスモデルは、起業においてアイディアを出す際にとても参考になるため、後述する基本のパターンを参考にしてみましょう。

・シンプル物販パターン
個人もしくは、企業が商品やサービスを企画・開発・製造のどれかの手法でビジネスを確立し、消費者から対価を支払ってもらうビジネスモデルとなります。

・小売パターン

商品、サービスを開発せず、すでにある商品を仕入れて売るビジネスモデルです。

百貨店、コンビニエンスストアや多くのインターネット通販サイトなどは、小売モデルとなります。

・広告パターン

雑誌、新聞などの紙媒体、もしくはウェブ上のプラットフォームに広告を掲載させることで広告料を稼ぐビジネスモデルです。

・合計パターン

消費者を呼び込む目玉商品を用意し、オプションとして“ついで買い”を狙うビジネスモデルです。格安旅行パックや、保険などに多く見られるものです。

・二次利用パターン

開発済みの商品について再利用する権利(ライセンス)を売買し、再利用させることや、再利用させてもらうことで利益を出すビジネスモデルです。

漫画の映画化、書籍のドラマ化などが例に挙げられます。

・消耗品パターン

大元となる商品の価格を抑え、付属の消耗品やメンテナンスで利益を取るモデルです。

電動歯ブラシ、カミソリなどの生活用品でよく見られる消耗品などがあります。

・継続課金パターン

商品やサービスを月額などで一定期間使用してもらうサービスです。ウォーターサーバー、携帯電話、動画サービス、新聞などもこれにあたります。

・マッチングパターン

製品・サービスを提供する側と消費者との間をとりもち、仲介するビジネスモデルを言います。ホテルの予約サイト、不動産などが当てはまります。

・フリーミアムパターン

ベーシックプランなどのサービスや製品は無料で提供し、さらに追加で、別機能やオプション機能に料金を課金する仕組みのビジネスモデルです。クックパッド、ニコニコ動画、EvernoteやDropboxなどのサービスがこれにあたります。

海外、国内で急成長したサービス

ビジネスモデルを把握した上で今度は、国内海外で注目されているビジネスモデルをご紹介します。

ここでは、ローリスク、ハイリスクにおいては触れず、今後さらに注目され、大きな市場になると予想されている分野をご紹介いたします。

・海外で注目されている分野シェアリングエコノミー

2008年のリーマンショック以降、世界中で、未だに経済面での大きな影響が残っています。その緊縮した経済状況が波及する中で注目されたのが、「シェアリングエコノミー」です。

シェアリングエコノミーとは、シェアリングエコノミーは提供者が所有するモノや、サービスを、利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み、と定義されます。

所有者が使用していないときにモノやサービスを貸し出すことで、所有者・利用者の双方に利益が生まれます。所有者は提供した物やサービスを使用した方からの利用料として収益を得ることができ、また、利用者も使った分だけ支払うことで予算をサービスや利用する物によって最適化できることがメリットになります。

シェリングエコノミーで著名なサービスで言いますと、近年急成長を遂げている配車アプリサービスを提供するUber、使用していない自宅、物件を利用者に貸し出しをする民泊サービス、Airbnbなどがあります。

提供者としては、何らかの理由で使用はしていないものの、価値がある所有物を有効活用できる、というコンセプトは、国内海外問わず、提供者双方にメリットがあり、また手軽に始められるサービスであるため非常に人気の高いビジネスになると言えるでしょう。

緊縮した世界中の経済状況が続いている現状がしばらく続くと言われる昨今、シェアリングエコノミーを意識したサービスはこれからも伸び続けると言われています。

シェアリングエコノミーのサービスの種類ですが、シェアリングエコノミー協会の理事である株式会社ガイアックスは、大きく4つのビジネスモデルに分けて考えています。

モノ、時間、場所、移動のシェアです。

国内のサービスで言いますと、

・モノのシェアサービス 

ネット上フリママーケットサービスの「mercari」、月額でプロのセレクトした服が送られてくる「Air Closet」などがあります。

・場所のシェアサービス 

国土が小さく、居住可能スペースが世界の中でも少ない日本ですとまだ課題が多いジャンルですが、「スペースマーケット」が著名でしょう。

・時間のシェアサービス

スキルシェアも近い領域で、「クラウドワークス」などがこれにあたります。時間のシェア「ユーザーに時間を割いてもらう」という考えが主になり、「ANYTIMES(エニタイムズ)」などもこちらに当てはまります。

・移動のシェアサービス

国内でいうと大手自動車関連会社が提供しているカーシェアリングが主になります。

また世界的有名な、前述したUberのタクシー配車サービスが有名です。

ローリスクで手軽に始められる起業

基本的なビジネスプランと合わせて、今後注目度の高い、シェアリングエコノミーのサービスをご紹介しましたが、本記事で一番読者が気になっているであろう、「ローリスクでできる起業」について、ローリスクな起業とハイリスクな起業とは何かを早速ご紹介していきます。

起業においてのローリスク、ハイリスクとは?

ハイリスクな起業と聞くと読者の方はどのような想像をされるでしょうか?

一発勝負、苦しい資金繰り、多額の借金、自己破産、ーーー。

など様々なことを想像されるかと思います。

起業においてリスクを考える際、リスクが高いか、低いかは、「利益率」、「在庫の有無」、「初期投資額」が大きく影響すると考えて良いでしょう。

まず、初期投資は低ければ低いほどその後に入る利益率は必然と上がるのでリスクが低い。例えば、インターネットのサービスは、パソコン一台と作業ができる場所があればスタート時は不便なく仕事ができます。製品を開発して在庫を抱えるとなると在庫リスクを抱えてしまうので、無在庫のサービスが良いでしょう。

起業をする上で、事業において初期投資額が高ければ高いほどハイリスクになります。もちろんハイリターンでもあるのですが、リスクを極力下げて起業したいのであれば、ローリターンでも、準備の口数が少なく、小さいスタートを切ることができる事業の方が安心と言えます。

ローリスクな「副業起業」とは?

「ローリスク起業」という言葉がありますが、よくこの言葉と合わせて

紹介されるのが、「副業起業」です。

副業起業がなぜリスクが低いのかと言いますと、まず自分の得意分野で挑戦がしやすいこと、会社員として安定的な収入を得ながら事業をスタートできる、また軌道に乗ってから法人化できるなどのメリットがあるためです。

会社を退社し、ゼロから自身の会社を立ち上げるとなると様々な不安と直面することになりますが、副業起業はスモールスタートになるため、付随する不安も小さいのです。

また、『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』の著者である10,000人の起業をプロデュースした新井一氏によると、「起業すること=会社を辞めて独立すること」ではなく、会社員のまま小さく起業することで起業における不安を最小限に抑えられるとご紹介されています。朝晩30分の時間を使い、副業で「自分のビジネス」を始め、数年後の本格的な起業を見据えても良いとのこと。

副業で起業するか、小さく事業をスタートさせリスクを少なくするかは、ご自身のライフプランに合わせて選択しても良いでしょう。

手軽に始められそうな起業アイディア

早速、ローリスクな起業について考えた上で、気軽に始められる起業がどのくらいあるのかご紹介いたします。

・代行業サービス

代行業の特徴は、「人がやりたくない、面倒だと感じていること」をサービスによって代行できることです。例えば、専門的なこと、スキルがいるものなどは代行したいというニーズが多くあります。

もちろん、専門性の高い資格やスキルがなくても代行業をアイディアとして起業は可能です。

その中でも誰にでも手が出しやすいものといえば、販売代行です。

アフィリエイトなどもこれにあたります。もし、SNSで多くのフォロワーがいる、ブログにコアなファンがついている方などは、ブログなどで、商品の紹介をするのもありです。

またアフィリエイトで取り扱っている商品は多岐にわたり、書籍やゲームソフト、アクセサリー、ブランド商品、化粧品などあります。そのため、自身の趣味につながる商品を選ぶことができるのもポイント。

代行業は他にも、家事代行や掃除代行、育児代行、運転代行、不用品回収代行などがあり、国内のサービスでいうと、育児代行サービスの「KIDSLINE」不用品の販売で、フリママーケットアプリの「メルカリ」「ラクマ」などがあります。最近のトレンドでいうと、SNSの運用代行サービスが多くあります。SNSの開設方法、キャンペーン設計、インフルエンサーのアサイン、ディレクションなどを手がける会社も多くあります。

・レンタル業ビジネス

前述したシェアリングエコノミーの一環である、レンタル業ビジネスも、手軽に始められるビジネスのうちの一つです。

レンタルビジネスでは、レンタルDVDショップなどが有名。ただし、こちらは初期費用がかかるため、手持ちで使わないものをレンタルさせるサービスなどが最近では多くあります。例えば、高級なバッグなどを貸し借りできるサービス「ラクサス」などがあります。普段使わないものをレンタルさせる、というサービスは今後増えていくでしょう。

・コンサル業ビジネス

もし、専門的な知識やノウハウを持っているなら、コンサルティング業務などもおすすめです。営業、SNSの運用、恋愛、子育て、ダイエットなど、実にさまざまなコンサルティングサービスがあります。

これまで勤めていた会社で学んだ専門性の高いスキル、少しニッチでも趣味として続けてきたことなどがあれば、特別な資格は必要なくコンサルタント会社を起業することも可能です。元手が入らない、スタート時は起業した人が稼働して小さな仕事から開始してもいいので、マイナスポイントが少ないです。

思いがけない趣味などがコンサルティングビジネスに発展する可能性も大いにあるので、自分の知識やスキルを一度振り返って整理してみるとよいでしょう。最近でいうと恋愛工学など、恋愛面のコンサルタントをする方も多くいるそうです。

・マッチングサービス

人と人同士を繋げるマッチングビジネスもひとつのアイデアです。マッチングビジネスとは、顧客同士を紹介して、紹介料として報酬をもらうビジネスのことです。不動産を例にすると、家を貸したいオーナーと家を借りたい人を紹介し、仲介料をもらうという流れと一緒です。需要と供給に成り立つ人同士を紹介するのがマッチングサービスですので、自身の趣味と合わせて起業することもできます。例えば、趣味同士で繋げても良いですし、ビジネスの種類で繋げることもできます。

同じ趣味を持つ人を集めて、交流会やイベントを開催するのもマッチングの一種です。例えば、外食愛好者を募って、著名なレストランで食事会を主催している起業家もいます。

外部のプラットフォーム、例えばクラウドファンディングサービス、SNSなどを使用してマッチングさせることもできるので初期費用もかからないで済むでしょう。

・講師サービス

言語や、資格を持っている方にオススメのローリスクビジネスが講師サービスです。Skype、ビデオチャットツールなどインターネット上のコミュニケーションツールを使えば、教室を借りたりする手間、費用もかからず、生徒が通えるエリアにも縛られることがないので国内外関係なく、多くの方が使用対象となります。

学生時代に留学し言語に自信のある方、プログラミング、デザインなどを本職でやられた方など、「誰かに教えることができるスキル」があれば、場所問わず教鞭をとることができるのがメリット。また今後、この分野はネットサービスとしても多くのプラットフォームが開発されるなど注目を集めているようです。

リスクなく始めて成功したサービス

国内で、実際にローリスクで起業し成功したサービスをご紹介したいと思います。

アイディアベースで始めたものから、小規模スタートし、大きく注目されたサービスは2018年度現在でも多く存在します。そこで、今注目されている企業を2社ご紹介いたします。

・「香り」に「テクノロジー」の力を組み合わせた、株式会社コードミー

ユーザーに合わせた3種類のアロマを届ける定期購買サービス「コードミー」を始め、香りに関するマーケティングや、あらゆる企業のニーズに応えるスタートアップです。

株式会社コードミーの代表取締役太田 賢司氏は、もともと世界でもトップレベルの香料会社で10年ほどフレグランスの開発を行い、そのスキルを活かしてコードミーを起業されたそうです。企業のニーズに応えるマーケティングに、ウェブ上で、ユーザーの好みの香りを分析、最適化するパーソナライズ化、IT型のパーソナライズアロマを提供するサービスで起業されたのは、まさしく自身が培ったスキルでの起業参考例です。

https://www.codemeee.com/

・預け場所にバリエーションを与えたecbo株式会社

代表取締役の工藤 慎一氏は、街で偶然出会った訪日外国人に、スーツケースの入るコインロッカーを一緒に探してほしいと頼まれ、見つからなかった経験から、荷物預かりの現状に課題感を感じて起業しました。「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを提供する店舗」をつないだマッチング、またシェアリングサービスを提供しているecbo cloakは、日本ではまだ少ないコインロッカーに対する、年々増加する観光客の荷物預かりのニーズに応えたサービス。2017年に数千万円の資金調達を成功させており、急速に拡大し続け、なんと2018年度に1万店舗との提携が決まりました。荷物の預かり場所を自社ではなく、提携店舗にし、顧客のニーズの満たすサービスはシェアリングサービスの良い参考例と考えて良いでしょう。

https://ecbo.io/

リスクなく起業したいなら成功事例から学ぼう!

リスクなく、起業のアイディアを探したい人はもちろん、副業でリスクなくスタートしたい人はまず、基本のビジネスモデルを把握した上で、国内外で成功している企業やビジネスモデルや、世界で注目されているサービスを真似することから始めて良いでしょう。