独立開業をしたいと思っている方が、一番気になるところといえば、どんな業種が良いかでしょう。
独立開業において、できる限りのリスクを排するには、独立開業する際の業種、事業形態も意識することが必要となります。どんな業種が独立開業しやすいのか、また独立開業における成功などについて業種別にご紹介いたします。

独立開業しやすいとは?

独立開業がしやすいことについてのポイント整理

いざ、独立開業にするにあたって、まずは独立開業しやすいとはどういうことかご説明しましょう。
独立開業のしやすさについてを判断するにはまず、4つのポイントがあります。この4つのポイントを軸に、どういう要素で、独立開業がしやすいかという判断ができるかを定義していきます。

1,資金面:低コストであること

まず独立開業をするにあたって起業資金が必要になります。この開業資金、つまり低予算、低コストで始めることができるという面で、独立開業のしやすさも変わってきます。開業資金が大きければ大きいほど、資金を用意するにも工数と時間がかかります。また、開業資金を回収する利益を早めに出さないといけないことや、事業が失敗した際の負債も大きくなることから初期投資はできるだけ低い方が良いでしょう。
また事業に必要とする資金もできるだけ安く済ませられる方が、リスクは低くなるので独立開業しやすくなります。
例えば、商品を販売する事業で独立開業された場合、多くの在庫を抱えるとなるとコスト、場所代、配送、店舗など多くの面で資金面、体力面で消耗することになります。在庫は確実に売れる個数しか持たない、配送台が極力かからない方法、場所を取らないものにするなど工夫する方がベター。

2,スペース、場所を取らない

場所を必要としない業務ですと、余計な資金がかかりません。仮に場所が必要な場合は自宅、安く借りれるコワーキングスペースなどを活用するのがオススメです。PC一台で完結する業務などは、独立開業時に自宅の一部をオフィスにすると節税対策にもなります。場所を必要とする業務で独立起業すると、オフィス代として賃料が発生します。都内でオフィスを構えるとなると、賃料だけではなく、光熱費などもプラスされるので、事業の収支と合わせて計画的に考える必要があります。例えば、飲食店での独立開業だと都内の繁華街のほとんどは高い賃料になるので、経営が軌道に乗る目処がない限り、赤字になる可能性も。

3,市場でのニーズがある

独立開業する際に一番、意識することといえば、独立開業する際にその事業が顧客、もしくは消費者から支持されるかどうかです。まず、ニーズがなければ、事業はどうあっても失敗します。独立開業後に、安定した収入を得られることを意識するなら、事前に自身が独立開業する際の業種、サービス形態が、世間または市場でどのくらい需要があるのか調べる方が良いでしょう。

4,収益の軸となるものを持つ

まず収益のベースとなる事業を決めましょう。前職で、資格を持っている、実績があるなど収益としてベースになることがあれば、安定的な収入を得ることができるため独立しやすいでしょう。
自身のキャリアや得意分野を加味して、どうマネタイズしていくのか、また自身が独立開業するにあたって武器になるものがあれば、自然と独立開業後の事業にも生かされる可能性があります。まずは、どんな仕事をしたら安定的に収益を得ることができるか考えることからスタートしてみては?
例えば、特殊なスキルを持っている方は、有料のブログ、マガジンを配信する、もしくは事業としてスタートするなら、クライアントとの契約を長期契約にするなど、視野に入れても良いでしょう。

有資格の業種、無資格の業種の違い

独立起業を考えるにあたって、資格を持っているか持っていないかは、独立開業のしやすさにも影響する、と考えている方も多いでしょう。
特に国家資格になると、ものによっては専門機関で数年間の教育が必要であったり、国家試験さえ受けられません。さらに資格取得後の研修、もしくは実習などの、実務経験も制度的に組み込まれているものが多いため、資格取得を目指す方の人口比率も高くないでしょう。競合がそれだけ少なければ、必然的に独立した際のメリットになります。
また専門性の高い有資格の業種は、消費者、顧客から見て需要が高いものが多くあります。しかし、専門性が高く、取得が難しい資格でも、必ずしも独立できるし、成功できるかといったらそうではありません。
例えば有資格ではない、ウェブデザイナーや、イラストレーター、コンサルタントなどで独立開業されていて年収が1000万円超える方もいます。要は、有資格、無資格の違いよりも、どちらにせよどれだけのニーズが選ぶ業種と、自身のスキルにあるのか、ということが重要になります。

日本における独立開業率の現状

独立開業を考える際に、国内の独立開業における、廃業率や、開業率などをご存知でしょうか?独立開業を決意したなら、ある程度現状を把握して参考にしておくのが良いでしょう。我が国における、独立開業率の現状をご紹介いたします。

日本における開業率と開業時の年齢

日本政策金融公庫 総 合 研 究 所「2017年度新規開業実態調査」によると、日本の独立開業時の年齢は、開業時の年齢は30歳代が34.2%と最も高く、40歳代が34.1%を占めているそうです。
また、開業時の平均年齢は42.6歳と高く、2013年度以降、平均年齢は5年連続で上昇しているのだとか。開業する際に、専門機関での教育を受ける必要や、資格取得後も一定期間の実習経験が必要な有資格の業種は平均的に、年齢層が上がってからの開業になるため、平均して年齢層が高くなるようです。

独立開業しやすい業種とはどんなものがあるのか?

独立開業しやすい業種について、前述で4つのポイントをご紹介しました。その4つのポイントを踏まえたうえで、
独立開業しやすと言われている職業をご紹介します。

有資格で独立しやすい業種

1,事務系資格業

まず最初にご紹介するのは、士業と言われる事務系資格業をご紹介します。士業は、専門性が高く、国家試験を受ける必要性があります。また市場でもニーズの高いものがほとんどなので、仮に独立開業して失敗しても転職が容易です。また、大手の会社勤めをされていた方は、経歴が看板にもなるので、独立開業しやすいと言えます。

弁護士、会計士、税理士、弁理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、不動産鑑定士、宅建士、などがそれにあたります。

2,技術系資格業

技術系の資格は、マイナーなものからメジャーなものまであり、国家試験が必要なもの、もしくは民間で試験を受けるものまで幅広く存在しています。理容師、美容師など美容に携わるものから環境計量士などマイナーなものまで、技術性の高い職業が多いのが特徴。また、経済や時代に左右されることなく需要が高いので独立開業にも有利なものが多いです。

建築設計士、環境計量士、土地家屋調査士、インテリアコーディネーター

3,コンサルタント系資格業

近年注目されている業種で、特に若い世代に人気の高い業種がコンサルタント系。相談業の業種は、元手がかからず、サラリーマン経験を活かせる業種が多いため、年々資格取得率が高くなっているのも納得できます。
自分自身のスキル、経歴などが収益に大きく反映される業種のためSNSなどをうまく活用できるが独立しやすい業種と言えるでしょう。
中小企業診断士、キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナー、証券アナリスト、MBAなどがこれにあたります。

無資格で独立開業しやすい業種

1,IT系職業

IT系企業が多く存在している現状、IT系の業種で実績のある方は、独立開業しやすいと言えます。
人口比率は高いですが、実績を出している方、大手IT企業に勤めていた方などは、前職の顧客から独立開業後に、業務をそのまま委託されることも多く、自身のスキルや経歴に自信がある方は独立しやすい業種と言えるでしょう。またPC一台あれば、海外、地方など様々な環境や場所で仕事することができますので、場所代もかかわらず初期費用も安く済むところが魅力です。

プログラマー、フロントエンジニア、バックサイドエンジニア、システムエンジニア(SE)、プロジェクトマネージャー(PM)、ネットショップ開業、運用・管理者、ウェブデザイナーなどがそれにあたります。

2,クリエイター

クリエイターと呼ばれる人たちは、何よりも実績が重視されます。不安定なイメージを持たれがちだった業種ですが、現在では企業との業務提携契約を結ぶ方も多いので、実績とスキルさえ伴えば、独立開業しやすい職業と言えるでしょう。
また収益は、それこそ実績によってはピンキリですが、昨今、ウェブメディア、SNSの台頭でポートフォリオがわりに企業や消費者に作品を見せることができるため、人気職になりつつあります。インターネットプラットフォームを使ったPRのしやすさも、独立開業しやすい職業となった理由の一つでしょう。

デザイナー、カメラマン、ライター、イラストレーター、翻訳家など。

3,教室経営

インターネットツールを介して、コミュニケーションが容易になり、現在では、講座の受講やセミナー講師として独立開業される方も多くいます。昔と違い、インターネットのコミュニケーションツールのおかげで、場所を使わず、自分の持つ技能やノウハウを教えることが可能です。今でこそ、コミュニティサロンなどの運営で、高収入な人も多くいるようです。各種講座やセミナー講師で、登壇する場合でも、レンタルスペースを借りるなどで低コストでセミナーを開くことも可能です。コミュニケーションツールの活用や、SNSで上手に集客するなどが必要ですが、特殊スキル、経歴実績によっては、独立開業し成功することも可能でしょう。

独立開業を見極めるための重要なポイント

独立開業をする際に、どの業種で立ち上げるか迷っている方は、まずその職種を選ぶ際に重要となるポイントを踏まえることから始めましょう。どの業種が、独立開業する際に自分にマッチするかは後述の3つのポイントで決まります。

1,自分のスキルや特技などを生かせるか?

まず自分のスキルや経歴を、客観的に見ること。そして、前述した職種の中で自分が一番その環境で能力を発揮できそうなものにめどをつけましょう。また、サラリーマン時代に勤めていた会社と同じ業種で立ち上げることが可能な方は、その業務において経験、実績を積んでいるかどうかを見極めることをお勧めします。
同じ業種で、独立開業を考えている人は、前職での経験はもちろん、人脈をたどってすでに独立開業した方に会って独立開業について相談し、参考にさせてもらうことも可能です。また顧客もそのまま前職から移行することが可能ですので、安定的な収入が見込めることも多くあります。

2,市場で将来性がある、注目されているか?

経済市場、もしくはその業界で注目されている業種や、成長を遂げている業種があれば、まさにその業種で独立開業を目指すとなると、仕事が増える可能性を見込めます。また、その分野や業種にスキルや経歴を省みて、挑戦できそうであれば、先駆者となって業界最大手になることもあり得ます。少し前だとファイナンシャルプランナーや、プライバシーマークのコンサルタントなどがブームになり、現在市場でのニーズが高まっているそうです。また、ある市場や業界が小さく、大きく成長する見込みがないものでも、競合が少ないがために大きな収益を得るということもあります。

3,その業界に参入するだけの知識、スキルがあるか

例えば、IT系の会社員だった方が、ゼロから学び直しカメラマンやデザイナーになるのは時間もかかりますし、センスや才能の領域でもあるので確実に独立開業ができるかというと大手を振って、イエスと答えられないのではないでしょうか。つまり、今までのワークライフでの経験を無視し、大幅に方針を変更した上での独立開業は非常に難しいと言えます。もちろん、可能性はゼロではありませんが、「独立開業しやすい」点で言うと定かではありません。これまでに培われた経験値を生かして、その業界に参入することの方が、イメージもつきやすくまた具体的な行動を決めることも容易になります。自身がチャレンジしたい領域で、自身が参入できるか、は経験面だけではなく、資金面、体力面、精神面など様々な側面から見て決める方が良いでしょう。

独立開業を決意したら次のステップヘ

独立開業を決意したら、次のステップにうつりましょう。まずは、「計画と準備」をスタートさせます。
独立開業にあたって最低3年ほどの計画は立てることをお勧めします。安易に独立し開業し、経営破綻、もしくは生活できない状況を避けるためです。
計画をし、準備をする上で必要なことは下記の二つです。

・資金や収支計画などの資金面の見通しを具体的に練る
・事業、サービスを継続的に運営できるかリサーチする
この2点で、収支計画を具体的に立て、またサービス、事業のニーズがあるようでしたら、開業資金の調達や、初期費用の計算、税務署への開業手続きなど実務を進めることになります。

独立開業して成功するには?

独立開業における成功の定義

独立開業において、「成功」していると定義するには、
・収益が出ている

・安定的、かつ継続的に会社を運営できている、もしくは事業に携わっている

・顧客がつき、会社、もしくは事業が大きく成長する見込みが出ている

この3つを満たしていることが必要になります。
資本的、社会的な面はもちろん、もう一つ大事な点で言うと、独立開業した人の「理想の将来像」をクリアしているかも大きく成功の定義に関わってくるでしょう。いくら社会的に成功していて、収益が大きく上がっていても、開業独立した本人の満足度が高くない、また顧客、独立開業した本人が幸福でなければ、事業もしくは会社を続けていくモチベーションを徐々に失っていくためです。

独立で、成功する人のメソッド

オーナーズエージェント代表取締役の藤澤雅義氏は98年に賃貸不動産のプロパティマネジメントに特化した企業として、アートアベニューを設立。その後、全国の賃貸ビジネスに関わる企業支援、コンサルティングを行う会社として、オーナーズエージェントを設立し代表取締役に就任した。現在総売上高が約55億円。業界3誌で連載も持つほどで、著書は三冊出版されています。創業14年目のオーナーズエージェントの藤澤雅義代表取締役は、独立に向いている人のことをメディアで次のようにご紹介されていました。

まず、独立に向いている人は自分を客観視できる人だとご説明。理由は、自分を客観視できない人は何をやっても仕事に向かないからと紹介しています。傍目の自分とつもりの自分にギャップがあったら独立に向いておらず、空気を察することができないからだそうです。空気を読める人かどうかのポイントとして藤澤氏が挙げているのが、相手を笑わせることができるかという点。他者から笑いを取れる人は、人の次の行動の予測が上手い人であり、それはビジネスにおいても重要だと説いています。相手が何を求め、この事業で何を実現していこうとしているのかと言うのを見極めることが事業を成功させる秘訣なのだとか。

経済誌を賑わせ、成功している著名な方も、独立してから順調だったかと言うとそうではないと説明。そのために、いざという時に、一人で全てこなすことができる自信とスキルは持つべきだとも紹介しています。

つまり、仮に他の部分で人に劣ったとしていても「これだけは自分が一番だ」といえるものを作っておくこと。またそれは些細なことでいいそうです。

独立開業をするなら「武器」を作ろう

独立開業において重要なのは、スキルと培ってきたことによる「オリジナリティ」が重要です。同じ資格を持っている人や、その業種で戦ってきた方はたくさんいるのです。そのため、独立開業する際は、「この分野だけは誰にも負けない!」という武器を作っていた方が、独立開業しやすく、また成功する可能性も高いといえるでしょう。