不動産投資を成功させるためには、良い物件選びが必要となります。

豊富な知識や経験から、自分自身で良い物件を探し購入できれば良いですが、不動産投資をはじめたばかりの初心者にとっては、分からないことが多く、それ自体が難しいです。

そのため、信頼できる不動産会社と親身になって相談に乗ってくれる営業マンの存在が欠かせません。

そもそも、不動産投資を考え始めた人と不動産業者では、圧倒的な情報格差があります。

不動産業者の場合、物件が売りに出された背景、物件の性能や将来性など、売り手だからこそ入手できるたくさんの情報を持っています。

そして、仕事柄より多くの人に不動産を買ってもらう必要があるため、顧客側が質問しない限り自分たちがあえて不利になるような情報は告げずに黙っていることもあります。

また、玄人大家さんであればある程度の物件を自分の思うようにリフォームし賃貸需要のある物件に進化させる人もいますが、初心者が大家さんになる場合、知識が乏しいため、買ったままの姿で運用する方が多いです。

つまり、はじめから賃貸需要のある物件を選ばなければいけないのです。

このように不動産投資をはじめたばかりの方にとって、信頼できる不動産会社と親身になってくれる営業マンを見つけることはとても重要なことであると言えます。失敗しないためにも、経験豊富な知識を借りながら、二人三脚で物件を選ぶと良いでしょう。

この記事では、安心して物件選びができるよう、信頼できる不動産会社と営業マンを見つけるために必要な着眼点と必ず質問すべき具体的な質問項目についてご紹介します。

この記事の監修者:高野 友樹(タカノ ユウキ)

不動産コンサルティング事務所 Resorz Consulting 代表。一般社団法人グローバルイノベーションネットワーク協会 マネージャー。

不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、国内不動産ファンドでAM事業部のマネージャーとして従事。現在は、Resorz Consultingを立ち上げ不動産コンサルティングを行う傍ら、社団法人GINAとして海外事業にも参画。

【保有資格】
・公認 不動産コンサルティングマスター
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士 など

※もし本記事をお読みの中で、そもそも誰に相談していいのかがよく分からないという方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「不動産投資に資格は不要?資格を学ぶことで身につけたい2つの知識」をお読みください。不動産投資をはじめることに必要な知識のご紹介はもちろんのこと、自分の今の悩みを誰に相談すべきかどうかが分かります。

信頼できる会社を見極める4つの視点

不動産会社

①不動産の販売だけでなく管理まで行ってくれる業者がいいのか?

やはり不動産の紹介から管理まで一括で任せられる会社は購入後も安心できますが、一概に良いとは言えません。

販売〜管理まで行ってくれるメリットは安心感があることです。

・物件の購入価格だけでなく、いつ大規模な修繕が必要かなど、長期的な目線で提案してくれる
・購入後一切連絡が取れなくなる心配がなく、水漏れなど修繕が必要になった場合も安心して頼れる
・不動産会社は物件販売後自ら管理を行うので、問題のある物件を紹介してこない

・仮に稼働率の悪い物件でも、入居率向上プランを購入前から一緒に考えてもらえる

販売だけを行う会社のメリットは特にありませんが、デメリットは上記の逆と考えていいでしょう。

ただ、物件の状態によっては管理会社を変更する必要があります。

購入する時点で空室が多いようであれば、例え販売元会社が管理まで一貫して面倒を見てくれるとしても、集客力のある他の管理会社にお願いしましょう。

極論ですが、古い物件でも入居者が絶えなければ家賃収入が入るのです。

②【販売・管理】信頼できる会社か会社概要を見る

信頼できる会社を探すのは難しいですが、会社の数値も判断材料になります。

取引実績

自分が購入しようとしている物件と同じような物件を、これまで何件取り扱ってきたのかを聞きましょう。

物件価格や立地が変われば入居者層も変わり、入居者層が変われば重視すべき設備なども変わってきます。

類似物件の取扱実績がない場合は、営業マンの説明も鵜呑みにせず、慎重に掘り下げていきましょう。

資本金

特に創業年数の浅い会社の場合は資本金も確認しておきましょう。

株式会社は一円からでも設立が可能ですが、資本金額は銀行から融資を受ける際の信用力の判断材料にもなり、少額の資本金は実際好ましくありません。

不動産会社の資本金の平均額は、500万円未満が※34.5%です。

資本金の数倍の物件を扱う分には特に問題視することはありませんが、仮に資本金100万円の若い会社が1億もの物件を扱っていたら、何か特別な事情があったのか、その案件は本当に存在するのか遠回しに聞いてみましょう。

なお、不動産会社の取引形態が「媒介または仲介」であれば問題はありません。媒介または仲介とは、売主と買主の仲介に入って契約を成立させる取引です。ここでは、取引形態が「売主」となっている場合、つまり不動産会社が物件の所有者として販売するケースのことを指しています。

※参考:平成29年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計についてより

・資金源はどこなのか
・グループ会社があるのか
・高額物件を扱うのはよくあるのか
・なぜそのような物件が入ってきたのか

などです。

宅建免許の更新回数を確認する

不動産会社の宅地建物取引業の免許番号を確認しましょう。

宅建免許番号は店内に掲げられてるほか、HPや名刺にも記載されており、ここから大まかな営業年数会社規模がわかります。

宅建免許の見方

宅建免許は「営業地域(更新回数)免許番号」の構成になっています。

・〇〇県知事(△)第✕✕号
・国土交通大臣(△)第✕✕号

営業事務所がひとつの地域でのみの場合は「都道府県知事」

営業事務所が複数の地域にある場合は「国土交通大臣」と記載されます。

また、不動産の売買契約を行うには宅建免許が必要で、宅建免許は5年に一度更新が必要です。
※平成8年3月(1996年3月)以前は3年に一度更新

見方の例

東京都知事(6)第0001号・・・東京都にのみ事務所を構えている、5回更新している
国土交通大臣(8)第0033号・・複数の都道府県に事務所を構えている、8回更新している

特定の地域で、更新回数が多いと特定の地域に精通していると考えられます。

複数の地域で、更新回数が多いとそれだけ様々な地域事情を把握し実績もあると考えられます。

更新回数が少なくても実力ある会社もありますが、更新回数が0だと実力についても口コミなどで詳しくリサーチした方がいいでしょう。

ただし、更新回数で宅建業者の信用力を判断する際に注意するべき点もあります。

1つ目は、途中で国土交通大臣免許に変更した場合です。

1つの地域で20年、30年と地道に営業を続けてきた会社が事業拡大のために他県に事務所を新設すると、知事免許から国土交通大臣免許に変更になり、その場合は(1)からスタートします。

2つ目は、事業者が「法人成」した場合です。

法人成とは個人事業主が法人化することです。地域密着型で堅実な営業活動を続け個人事業主としては7回の更新実績があったとしても、法人化することでまた(1)からスタートすることになります。

このように、長く営業を続け実績を積んできた業者でも、上記のような理由で免許番号が1からスタートすることも少なくないため、免許番号だけでは会社の良し悪しが正確には分からないので注意が必要です。

ちなみに、自治体のHPでは宅建業者の行政処分有無の情報を確認できます。

全体の社風を見る

社内で怒号が飛び交っているような不動産会社では、契約のために上司が部下に過度なプレッシャーをかけて、結果的に営業マンが無理な営業を顧客にしてしまっているケースもあります。

訪問時は、営業マンや物件だけでなく、会社全体の雰囲気も摑み取れれば、尚良いと言えます。

会社の口コミや社長や営業マンの名前で検索する

不安であれば会社や社長や営業マンの名前でも検索して評判をみましょう。

ネットでの検索やSNSで検索し、自分とは会ってないところでの姿を知ることで、信用できる人間性か、自分と性格が合いそうか、長く付き合っていきたいと思える人かの判断材料になります。

特に規模の小さい会社であれば社長の発言力が強く、社長の性格がそのまま経営方針になることも少なくないです。

打ち合わせ時の発言と本来の性格(経営方針)は一貫しているか判断できることもあります。

また、別記事で「【初心者向き】不動産投資の基礎知識を効率的に学べる無料セミナー8選」にて、不動産会社が定期的に開いているセミナーについてもご紹介しています。実際に、セミナーに顔を出し、投資を検討している会社について、理解を深めるのも良いでしょう。

③【販売・管理】確定申告のサポートも行ってくれるか確認する

不動産会社の中には売買や家賃収入の確定申告をサポートしてくれる会社もあります。

特に家賃収入の確定申告は毎年行わなればならず、毎月の家賃収入額や経費をまとめた上に、各種書類をそろえる必要があり、何かと面倒です。

下記のような計算をしたり資料を取りまとめるのは手間なので、実情を知っている管理会社が確定申告の書類を作成してくれると非常に助かります。

一覧表


注意!申告内容は、必ず確認すること

不動産会社の作成した申告内容に誤りがあり、知らぬうちに脱税していることもあります。

脱税の責任はオーナーにありますので、必ず申告内容は確認しましょう。

④【管理】新規入居者を獲得する「集客力」があるか確認する

物件購入後の管理を任せるなら、入居者を連れてこれる「集客力のある会社」にお願いしましょう。

入居率は平均よりも高いか

賃貸住宅全体の平均入居率は全国94.4%、首都圏95.5%となっています。※日本賃貸住宅管理協会

平均よりも高いか低いかを確認することで集客力がわかります。

ただし、不動産会社窓口で説明を受ける際の入居率の基準は会社によって異なります。

・過去最も入居率の高かった時期を入居率として表示している
・退去後1ヶ月で空室としてカウントする
・内装工事が終わって入居準備が整った時点で空室としてカウントする

など、いつを基準に入居率を算出しているのかを聞くようにしましょう。

退去後の空室期間の平均はどれくらいか

集客が得意な管理会社は空室期間は長くても1〜2ヶ月、3ヶ月以上空室が続くことは滅多にありません。

空室が長期化している場合は、物件自体か設定賃料か、何かしらに問題がある筈です。

入居者が退去したあと、部屋の清掃や修理などの現状回復期間が発生します。

この期間が1〜2週間程度と考えて、原状回復後さらに1〜2週間程度で入居者による下見や書類審査を行う流れを考えると、1ヶ月以内の入居が決まるのは非常に早いことがわかります。

【疑問】家賃保証・サブリース契約ってやっぱりやめた方がいいの?

この疑問については一概にいえず、業者が提案してくる条件によっては契約していいというのが答えです。

そもそも家賃保証は2つの意味を含んでいます。

①入居者からの入金が遅れたときに、保証会社が一時的に立て替えて支払ってくれるシステム。保証会社は後ほど入居者から立て替えた家賃を徴収する。

②管理会社がオーナーから物件を借り上げる代わりに、入居率にかかわらず一定額の家賃を一定期間支払うシステム(サブリース契約)

①の家賃保証であれば特に問題はなく、家賃保証サービス利用料が許せる範囲であれば契約してよいでしょう。

ただし、②の家賃保証(サブリース契約)は注意が必要です。

サブリース契約で頻発したトラブル事例

「30年間借り上げ、その間一定額の家賃を払い続けます」という約束で契約をしたところ、実は2年に1度家賃の見直しが行われる契約になっており、その度に家賃が大幅に減額され、ついには全く支払われなくなった。

オーナーは赤字続きでローンが支払えないため、物件を売却しようと考えたが30年は管理会社に貸す契約をしており、契約解除には多額の解除料が必要になり八方塞がりになった。

このようにサブリースでは家賃の見直し時期に、家賃を大幅に減額されることがトラブルの最大の原因になっています。

ただ、中にはサブリース契約でも、家賃の見直しは7年に一度、下げ幅は最大5%までという契約の業者もあります。下げ幅の最大値が決められていれば、長期的な収支計画も立てやすく、安心できるため契約するメリットはあると言えます。

また、家賃保証以外にもサブリースによるリスクは存在します。「10年、15年の周期で、サブリース業者指定の大規模工事を実施しなくてはならない」という契約内容を設けているサブリース業者も存在します。

しかもその場合の工事費はサブリース業者への手数料なども含まれている場合があり、相場よりも工事費が高額になる場合があります。

従って家賃保証(サブリース契約)を提案された際は、下記は必ず確認しましょう。

・契約期間は何年か?
・家賃の見直しは何年ごとで、家賃の下げ幅は最大何%か?
・家賃保証以外で、オーナーが負担したり、制限されることはないか? 

サブリース契約はトラブルが多く注意が必要ですが、入居者の獲得に確かな実績があり、20年・30年と物件のことを考えてくれる会社なら、サブリース契約でも安心して任せられるでしょう。

信頼できる営業マンを見極める5つの視点

不動産投資 営業マン

この章では、信頼できる営業マンを見極める5つの視点についてご紹介します。

①自分の投資スタイルを理解した上で提案をしてくれるか

あなたの投資スタイルを把握しようとせずに「良い物件がある」という押し進める人には要注意です。

おすすめの物件を何件も見せて、投資スタイルを明確にしていく流れもありますが、やはり話の軸は物件の良さではなく、顧客です。

不動産投資の手法は人によって異なりますので、顧客の理解なしに物件の提案はできないのです。

ヒアリングによって顧客の考えを引き出せる営業マンは良い営業マンといえます。

②担当者に十分な知識があるか

担当の営業マンに知識がないと、投資において重要な部分を見逃したまま購入を決めてしまうかもしれません。

・そもそも不動産投資自体の知識を豊富にもっているのかどうか
・なぜこの価格なのかを聞いてみましょう

・その根拠として物件の何を評価して、何を評価しなかったのか
・物件の将来的な価値(賃貸需要)は

・物件がある地域の人口の推移や都市計画などの将来像

特にはじめに記載した、そもそも不動産投資自体の知識を豊富に持っているかどうかは必ず確認しましょう。

その理由は、収益物件の営業マンは本当にピンキリで、中には昨日今日入ったような勢いだけの人もいます。

そのような人は勢いで数棟売った後に問題を起こして退職し、販売会社を転々としているケースが多いので、少なくとも業界歴と社歴、宅地建物取引士の資格保有の有無は確認しておくべきかと思います。

また、最後の項目に記載されている、人口の推移や都市計画については調べてないと答えがでません。不動産投資をする際に、立地についてリサーチするのは営業マンとして知っていて当然のことです。

担当の営業マンが本気で成功を考えてくれているのであればそこまで調べているでしょう。

仮にまだ調べていなかったとしても、本気で接してくれているのであれば、曖昧な回答で終わらせずに、しっかり調べた後に改めて見解を述べてくれるはずです。

③強引な営業・怪しい営業をしてこないか

物件が売れたら営業マンに高額な歩合が入るため、顧客の事情は考えず必死に売ろうとしてくる人もいます。

下記の営業事例は宅建業法の禁止事項に触れる可能性がある行為です。

・夜の10時以降に電話してくる
・断っているのに何度も電話してくる
・アポなしで自宅に来る
・他のお客さんが購入してしまうと言って、考える時間を与えず契約を迫ってくる
・長時間勧誘してくる

心当たりがあったらその会社にはハッキリと断りの連絡を入れましょう。

それでもひどい場合は近くの役所の建設系の課に相談しましょう。

④物件のデメリットも説明してくれるか

物件を紹介する際にしっかりと物件ごとにデメリットを説明してくれることも重要です。

価格・機能・築年数・立地の面で全ての人の願いを叶える物件はありません。

その物件のデメリットにより、どの入居者層がターゲットから外れるのかが見えてきます。

「儲かる」という話だけでなく、デメリットを正しく示し現実を認識させてくれる営業マンが信頼できます。

⑤納得いく物件選びができるまで付き合ってくれるか

営業担当者から薦められた物件を何度も却下するにつれ、だんだんとメールの返信が遅くなってきたり、明らかに態度が変わってくるような場合は、不動産会社か担当を変えてもらうのも検討しましょう。

物件選び時点で態度が変わるようでは、実際の内見や物件所有者との価格交渉、収支計画等の話し合い時に、心から相談に乗ってくれるとは思えません。

不動産投資は非常に高額な買い物です。妥協して決めないよう真剣に向きあってくれる人に相談しましょう。

ただし、投資家側としても注意すべき点があります。

それは、紹介された物件の購入を見送る際、「なるべく明確な理由を伝える」という点です。

不動産業者にしても、通常は物件を紹介する前に事前に物件情報を調べたり現地に下見に行っている場合があります。そういった努力に応えるためにも、断る際はなるべく理由をしっかりと伝えるべきです。

そうすれば、不動産会社の営業マンも納得し、次回は更に投資家の希望に合う物件を紹介しようと一生懸命動いてくれるでしょう。

【疑問】出口戦略まで提案してくれるのは重要?

出口戦略は確かに決まっていればいいかもしれませんが、そもそも物件の転売はプロが行う投資手法であり、家賃収入を目指す人にとって出口戦略は必ずしも重要とはいえません。

賃貸需要がある物件を購入し、家賃収入が得られるのであれば、修繕をしてずっと保有し続ければいいのです。

子供に残してあげたいと思うほど長く付き合える物件を購入すべきです。

首都圏のように人口減が見込まれない地域であれば、10年経っても家賃は1万円くらいしか変わりませんが、物件の価格は数百万円変動するのです。

数年後の家賃の変動幅よりも物件価格の変動幅が大きいことを考えると、転売時の価格予測が圧倒的に難しいことがわかります。

賃貸需要があり入居者が途絶えなければ、何年経っても保有し続けられます。

出口戦略よりもずっと保有しつづけられる方法を熟考するほうがよほど大切といえるでしょう。

まとめ|一社の意見だけで決めないこと

一社だけに決めないこと

物件購入前には最低でも2〜3店舗は不動産会社を回りましょう。

質問リストを予め用意して同じ質問をしてみると意見に差があることがわかります。

その際は、なんでそのような意見になったのか納得いくまでヒアリングをしましょう。

特に管理も行ってくれる会社の場合、何十年も付き合うことになるのです。

自分と意見の合う会社でなければお互いにストレスで、トラブル時も必要以上の対応はしてくれない可能性もあります。

業者をしっかり見極めて安心して不動産投資を初めてください。