「大事なのは肩書きよりも相性」
「付き合うのに年齢は関係ない」
「別れ際が肝心」

一体何の話をしているのかと言えば、「顧問税理士」についての話です。

企業と税金は切っても切り離せない関係です。 同じように、企業と税金のプロである税理士もまた密接な関係です。

日本に存在するほぼ全ての企業は、税理士と何らかのお付き合いがあるでしょう。

財務省が平成28年度に公表している「税理士業務の適正な運営の確保」では、法人税の税理士の関与割合については88.7%で、約90%の法人が税理士へ依頼をしていることが分かります。

しかし、税理士だからと言って税金の全てに詳しいわけではありません。その理由は、税理士によっても得意とする専門分野が異なるからです。

税理士の専門分野が異なるとはどういうことなのか、もう少し分かりやすくお伝えるすると、医者をイメージしていただくと良いでしょう。

医者も全ての分野に精通しているわけではなく、皮膚科、歯科、眼科など、得意な領域は人それぞれ異なります。

税理士も同じで、何を得意とするかは、人それぞれなのです。

そのため企業が事業拡大などに伴ってステージを変える際は、相談する相手も変えていかなければいけません。

とは言え、「どうやって自社に合った税理士を選べば良いか分からない」といった方も多いでしょう。

そこで今回は自社に合う税理士の選び方や選ぶ基準について解説します。

報酬削減

目次

税理士選びを間違った経営者の事例

税理士 事例

事例1.大手の税理士事務所だと思って安心していたら…

小売業A社は、大手の税理士事務所に顧問契約をお願いしています。

大手だから安心と考え、顧問契約をお願いしたにも関わらず、担当者は頻繁に変わるし、いつも来るのは無資格の担当者ばかり…。

あまり力を入れてサポートしてもらっているようには感じられない。

もう少し頼りになる税理士がじっくり担当してくれればと考えている。

事例2 業界事情を全く知らない…

医療法人B社の顧問税理士は、先代から付き合いのある人で、経理処理や税務処理は無難にこなしている。

これと言った大きな不満はないが、医療業界の事情には詳しくないため、節税のアドバイスや経営に関する相談がほとんどできない。

医療関係に精通した税理士もいると聞いており、業界に精通した税理士に変更したいが、簡単に切り替えることもできず困っている。

事例3 国税庁OBというのに…

卸売業C社は、順調に利益を伸ばしてきたが、節税対策を行う必要性を感じ国税庁OBの税理士に顧問税理士を変更した。

実際に税務調査が入った際には、調査は手際よく進むものの、税務署からの指摘に対しては、ほとんど押し返すこともなく税務署寄りの対応。

そのグレーな部分を対応してほしくて頼んでいるのに肝心なところで役に立たなかった。

自社にあった税理士を選ぶ14の質問

自社にあった税理士とは

税理士資格を持つ人は全国で7万人以上います。

1章でご紹介したいようなお悩みを持つ経営者のようにならないためにも、「自社にあった税理士」を探さなければいけません。

この章では、そのために必要だと考える14の質問をご紹介したいと思います。

自社にあった税理士をどのような基準で選べばいいのかについて、しっかりと学んでいきましょう。

Q1「自社に必要な知識を持っている税理士を探す」には何から考えればいいの?

A. まずは自社の業種や規模にあった顧問先を持っている税理士かどうかを確認しましょう。

同業の知人や取引先から紹介された税理士であれば、業界についての知識はまず持っていると考えていいでしょう。

また自分で探す場合には、「~の業界は何年くらい担当されているのですか」「~の業界の顧問先は何社ありますか」など具体的な質問をしてみましょう。

業界の中でも色々な分野があるので、より細かく聞くと知識レベルが分かるでしょう。

Q2 若い税理士と、経験豊富な年配の税理士とでは、どちらがいいのでしょうか?

A. 結論的にはどちらでも構いません。若いかベテランかというよりは、「コミュニケーションが取りやすいかどうか」や「税理士に何を期待しているか」によります。

例えば若い経営者なら、若い税理士の方が年も近く、お互い話しやすいことがあります。年配の経営者なら年配の税理士の方が話しやすいでしょう。

またフットワークの良さを優先するか、豊富な経験を優先するかなどは、経営者の好みや自社の置かれている課題によって意見が分かれやすい部分です。

Q3 規模の大きい事務所と小さい事務所、どちらを選ぶべきでしょうか?

A. 結論的にはどちらでも構いません。

規模が大きい事務所は、スタッフの数や顧問先も多く対応力の幅広さが魅力です。しかし一方で、担当者の交替が多いことや、経験の少ない若手税理士や有資格者以外のスタッフが担当することもあります。

小さい事務所は、対応力の幅広さという点では大きい事務所に見劣りしますが、担当が頻繁に変わることは少なく、関係性が築きやすいです。

規模は小さくても、特定の業種などに特化していて専門性の高い税理士もいますし、フットワークの軽さという点でも小さい事務所の方が融通が利きます。

事務所の規模だけでは良し悪しは判断できません。

Q4 顧問料の相場はどのくらいでしょうか?

A. 業種、売上規模、難易度や業務の範囲、訪問頻度などによって異なります。

およその相場ですが、年商1000万円以下であれば月1万5千円~。決算・申告が、月額の顧問料の4~6ヶ月分というところでしょうか。

この他に、記帳作業が加わると+5千円~。訪問頻度によって+5千円~などです。

月額の費用にいくらかかるのかではなく、年間の費用にいくらかかるのか、で確認をしましょう。

税理士相場引用:税理士ドットコム| 顧問税理士の報酬相場
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Q5 節税対策を行ってくれる税理士を見極めるには、どうしたらいいのでしょうか?

A. 事前に面談をする際に、税理士の基本スタンスを確認しましょう。

会話の中でどの程度、積極的に節税対策を行ってくれそうなのかを掴みたいところです。

そのためには、決算書や定款など自社の現状を表す資料を事前に準備して面談に臨みましょう。

また現在行っている節税対策やこれから考えていることを、複数の税理士に話してみると良いと思います。それぞれどのような意見を持っているのか、また、対応スタンスの違いが見えてきます。

Q6 税務調査に強い税理士を見極めるには?

A. 税務調査への対応では、税理士は次のようなタイプに分かれます。

税務調査では税務署員も悪意を持って調査に臨んでいる訳ではありませんが、かなり細かい点も突っ込んで調査・指摘してきます。

ただし税務署員の指摘事項をそのまま聞いていては顧問税理士としての存在意義がありません。かと言って、徹底的に戦って相手のプライドを傷つけてしまうことや、「何かを隠しているのでは…?」と疑われてもよくありません。

認めるべきところは認めて、合理的に粘り強く交渉できる税理士を見つけましょう。

Q7 自社の業界に詳しい税理士じゃなくても大丈夫ですか?

A. 税理士に何を求めるかによりますが、基本的には自社の業界に詳しい税理士を選びましょう。

商売の仕組み、取引の流れや財務の特徴が頭に入っていなければ役に立つアドバイスはできません。

契約する前に同業他社の顧問先があるか、業界の担当経験が何年あるのかは確認しましょう。

経験豊富な税理士が良いと言えます。

また、若い経営者であれば、若い税理士と一緒に成長していくということもあるようです。

Q8 税理士は、経営の相談にも乗ってくれるのですか?

A. 経験や知識の豊富な税理士なら経営相談に乗ってくれます。

結論として、経営相談をまともに出来るのは税理士しかいません。

会社の経営をする中で、支出の大部分をしめるのは税金です。その税金をコントロールできて、予測や判断が出来るのは他人にはいません。

税務だけでなく財務や金融機関取引、役員報酬や賞与金額の設定、設備投資のタイミングなど、経営課題の相談相手は税理士が良いと言えます。

今考えている方針を話したり、他社の例を聞いたりしながら、経営全般の相談に乗ってもらえる税理士を選びましょう。

Q9 業務範囲はどこまでお願いすべきなのですか?

A. 最初は全部を丸投げせずに、記帳や給与計算などは自社で行ってみましょう。ポイントを理解してから税理士に委託する範囲を広げていくといいでしょう。

会社の数字は会社内部の人間が一番分かるはずです。

しかし、スキルがないからと言って全てを税理に頼もうとすると、永久に自分たちでは会社の数字が分かるようになりません。

最終的には、やり方を教わって、自社で出来るようになることが望ましいと言えます。

はじめは、会計事務所に記帳や給与計算をやってもらいながら正しい処理を指導してもらい、徐々に自社へその業務をシフトしていきましょう。

また、中小企業の経営者の場合、経理業務を全て自分で抱えこんでしまうこと、本業にかける時間とエネルギーが少なくなってしまいます。

時間や予算を加味して、適度なバランスをとる必要があります。

税理士に頼めること

Q10 実力のある税理士はどこを見ればいいのでしょうか?

A コミュニケーションがスムーズに取れるかにより、実力を発揮できるかどうかが大きく変わります。

ホームページなどに相談実績や顧問先数を掲載しているところもありますが、それだけでは実際の実力はわかりません。また、税理士の得意な分野が、自社に合っているかどうかによっても異なります。

相性はとても大切なので、まずは自社の課題と求めている内容を率直に伝え、その反応を比べてみましょう。

こちらの要件を聞き入れ、的確な回答をしてくれる税理士を探しましょう。

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Q11 相談の頻度はどの程度を考えればいいのでしょうか?

A. 一般的には、毎月の訪問をする必要はありません。

新人の経理課員の指導や会計ソフトの変更、特定の相談事案がある場合などは別ですが、通常の業務であれば、訪問は半年に1~2というところで、あとは電話やメールでのやり取りで十分間に合います。

Q12 スポット依頼だけでも大丈夫でしょうか?

A. 決算業務や税務調査対応などスポット対応も可能な税理士もいます。

日常業務として、記帳や月次試算表作成などを自社の中で出来るのであれば、チェックや申告業務などのみを税理士に任せてもいいでしょう。

ただし日常から見ていないと形式的なものになったり、決算のタイミングに間に合わないものも発生してしまうのでご注意ください。

また、スポット対応の場合、低料金でやってくれることが多いですが、値段も値段のため、過度な期待はしない方が良いでしょう。報酬削減

Q13 何を決め手とするべきでしょうか?

A. 最終的に決め手となるのは税理士との相性です。

こちらが求める内容を的確に答えてくれる税理士かどうかを無料相談の中で見極めていきましょう。

面談前に準備すべきもの

税理士への面談

税理士との面談は、税理士選びをする上で、非常に重要になります。

通常契約前の面談は無料ですが、無料といえども、貴重な時間を費やします。お互いに無駄な時間にならないように準備をしておかなければなりません。

当日持参する書類

必要なもの

面談の中で抑えたいポイント

税理士に聞くべきこと

税理士の探し方

税理士の探し方

 

税理士と気持ちよく別れる方法

いくらしっかりと準備をして顧問に選んだ税理士であっても、長い間付き合う内に、お互いの相性が合わなくなってくることもあります。

また、会社の規模や形態の変化で、税理士に求めるサービスの内容が変わってくることは多いです。さらに、創業期から発展期で税理士に求める内容も変わるはずです。

税理士の変更には届出等の必要はありません。

対等のパートナーですので、遠慮する必要はありません。タイミングとしては、決算書作成と税務申告が終了したころがいいでしょう。もちろん必要であればすぐにでも切り替えなければなりません。

解約の理由については「レスポンスが遅い」「コミュニケーションが取れない」など相手の批判をするような理由よりは、「知人が独立したのでどうしても」「大口の取引先からの紹介で拒めない」など、角が立たないような理由を用意する方が先方も納得しやすいです。

解約後も書類のやりとりが発生する可能があるため、これまでの感謝の気持ちを伝え、税理士のプライドを損なわないような別れ方をしましょう。

お互いに感情的になって喧嘩別れしても狭い世界ですので、またどこかで接点があるかもしれませんし、次の顧問税理士には資料等をスムーズに引き継いでおかねばなりません。

まとめ|最後に決め手となるのは「税理士との相性」

税理士 パートナー

「良い税理士」に出会うことは、意外と難しいことです。

どのようなサポートが必要かは会社ごとに異なりますし、またタイミングによっても変わってきます。

今の顧問税理士に満足している部分もあれば、やや物足りなさを感じている部分もあるかと思います。

この機会に現在依頼している業務の範囲やコミュニケーションの方法を一度見直してみるのも良いでしょう。

お互いに改善する方法がないかどうかを話し合うことも重要です。改善することが出来ないのであれば、早い段階で別の税理士を検討する必要があるかもしれません。

実力のある(売れている)税理士の場合、「顧客を見ている」または「選ぶ」ことがあります。面談などで、「自社の現状や今後のビジョンを語れるか」「納税意識の高さ(脱税思考)の有無」などを見ています。

税理士は、経営者にとって強い味方です。

円滑なコミュニケーションが取れることにより、こちらが求めている内容を先回りしながら対応してくれる税理士がいれば会社経営により大きなプラスを与えることになるでしょう。報酬削減