医療保険とは、病気やケガで入院をしたり、手術を受けた時に給付金を受取ることができる保険のことです。

医療保険を法人で契約する場合、被保険者は代表であるご自身、契約者と受取人は法人に設定することで、保険料を会社の経費として処理しながら医療保障を確保することができます。

そのため、法人契約で医療保険に加入している経営者の方もいらっしゃることでしょう。

しかし、そのような経営者に中には「医療保険は法人契約で加入しているから、それで保障内容は十分だ」と、安心してしまっているケースもあります。

実は、法人で加入した医療保険から、経営者「個人」として給付金を受け取ろうとすると、少し問題点があります。

会社から受け取ることができる医療給付金は「社会通念上、相当とされる金額の範囲内」でなければ見舞金として認められず、「相当とされる範囲を超えた分」は給与として課税されてしまう恐れがあるのです。

この相当範囲がいくらなのか?という明確な金額はありませんが、一般的に会社から出せる常識の範囲内のお見舞金は10万円程度が目安といわれています。

つまり、経営者が法人で医療保険に加入しているからといって、全ての給付金を受取れるとは限らないということです。

そのため、会社経営者も「個人」として給付金を受取れる保険を検討しておく必要性があります。

しかし、医療保険一つを取っても、その種類は様々で、どれを選んでいいのか迷われる方も多いです。

そこで、今回は医療保険を選ぶ際の参考にしていただけるよう、医療保険選びのポイントについて、ご紹介させていただきます。

寺野先生この記事の監修者:寺野裕子(テラノ ユウコ)

てらのファイナンシャルプランニングオフィス代表。2008年FP相談業務開始。

2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。

個人のお客様に特化した資産管理をメイン業務として「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。

【保有資格】
・CFP
・1級FP技能士、投資助言業

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自分に合った医療保険を選ぶための4つのポイント

医療保険の選び方

基本的に医療保険は、病気やケガにならなければお金を受け取ることができません。

人は、病気になった時のことだけではなく、健康で長生きした時のリスクにも備えなければいけません。

その長生きした時のリスクに備えるための対策として、一番にイメージできるのは貯蓄でしょう。

よって、医療保険を選ぶ際のポイントは「将来のための貯蓄も同時にできる保険料であること」そして「もしもの時には頼りになる保障が入っていること」です。

医療保険選びの際のチェックポイントは次の4点です。

医療保険の選び方のポイント

FPからのワンポイントアドバイス

保険選びのポイントは、家計の負担にならない保険料で、自分に合った保障内容を組み込めているかどうか。

では、4つの医療保険選びのポイントを1つずつ解説していきます。

ポイント①:保障内容をチェック

質問事項

医療保険の保障内容にも色々と選択肢がありますが、基本的には以下の①~⑧のうちの①入院・手術給付金を1日あたり5,000円~10,000円の入院給付金が出る内容で押さえておけば十分でしょう。

この①の入院・手術給付金は各保険会社とも、医療保険には共通した基本保障として入っています。

後の②~⑧の特約は、ご自身が不安と感じる部分の補強役として必要と思った場合には付け加えるという感覚で選べば良いと思います。①の基本保障は、がんや女性疾病の入院にも対応しています。

以下、保障内容、特約の一般的な特徴、仕組みを解説しておきます。

疾病入院・手術給付金(医療保険)

病気やケガで入院した時に入院給付金が受け取れます。保障内容により1回の入院に付き、60日や120日といった限度日数が設けられているので要チェック項目です。

厚労省の「2014年患者調査」によると、一度入院した場合の入院平均日数は全体で31.9日となっています。

病気によっては1年を超えるものもありますが、大半の病気が60日以内となっています。

先ほど、病気のことばかりではなく長生きリスクのことも考える必要性をお伝えしましたが、無駄のない保障の確保としては60日限度を優先しての検討でいいかと思います。

以下に参考までに傷病別の平均入院日数をまとめておきます。

傷病名 平均入院日数
全体 31.9
結核 58.7
ウイルス肝炎 16.3
胃の悪性新生物 19.3
結腸及び直腸の悪性新生物 18.0
肝及び肝内胆管の悪性新生物 18.8
気管、気管支及び肺の悪性新生物 20.9
糖尿病 35.5
血管性及び詳細不明の認知症 376.5
統合失調症 546.1
気分(感情)障害 113.4
アルツハイマー病 266.3
高血圧性疾患 60.5
心疾患 20.3
脳血管疾患 89.5
肝疾患 25.8
骨折 37.9

 

通院特約とは?

退院後の、入院時の治療を目的として通院した時に、通院日数分の給付金が受け取れる。

退院給付特約とは?

入院給付金の支払事由に該当する入院を5日等の所定の日数以上したあと、生存して退院した時に受け取れる。

三大(特定)疾病特約とは?

がん、急性心筋梗塞、脳卒中により所定の状態に該当した時に給付金が受け取れる。

がん入院特約とは?

がんで入院した時に給付金が受け取れる。ほとんどの保険会社が支払日数無制限としている。がんに対する保障を手厚くしておきたい場合には選択肢に入る。

先進医療特約とは?

厚生労働大臣が認める健康保険適用外の先進医療に該当する治療を受けた時、その技術料相当額が限度額を上限に支払われる。限度額は保険会社により500万円~2000万円と様々です。

女性疾病入院特約とは?

乳がん、子宮筋腫、分娩の合併症などの女性に特有、あるいは発生率の高い病気で入院した時に給付金を受取れる

健康祝金特約とは?

医療保険契約後、一定期間、保険を使わなかった場合に、健康祝金としてお金が戻ってくるものです。保険料は健康祝い金特約を付けた場合、その分、高くなります。また、契約中に給付金を受取った場合には健康祝い金は受け取れませんのでご注意ください。

FPからのワンポイントアドバイス

保険選びで難しいイメージがあるのは特約の多さからでしょう。しかし、まずは基本の保障を抑えておけば大丈夫という感覚で検討ください。保険はシンプルな形で十分です。

ポイント②:保険のタイプをチェック

保障期間が「終身タイプ」か「定期タイプ」を選ぶ

医療保険の保障内容が固まったら、次は、希望する保障期間を選びましょう。

保障期間には5年、10年などの一定期間で保障が終了する、あるいは一定期間後に更新する「定期タイプ」と、一生涯保障が継続する「終身タイプ」があります。

終身医療保険のメリット・デメリット

終身タイプのメリットは、一生涯の保障を確保できる点です。ただし、保険料は同じ年齢であっても、同じ保障額の定期型と比較すると高くなりますので、その点はデメリットといえます。

定期医療保険のメリット・デメリット

定期タイプのメリットは、若い方は一定期間、安い保険料で保障を確保できる点です。

今、保険にお金をかける余裕もないという方は、短期間でも最低限の保障を確保しておくという目的で利用するといいでしょう。

「掛け捨て型」か「貯蓄型」を選ぶ

掛け捨て型保険

掛け捨て型保険とは、満期時や解約時にほとんどお金が戻ってこないタイプの保険です。

掛け捨て型タイプは、安い保険料で保障を確保できる点が大きなメリットと言えます。

医療保険には、解約すると10万円の解約返戻金を出すといった仕組みになっている商品もありますが、月々の保険料の負担額と比較すると微々たるものです。このようなタイプの保険商品も、掛け捨て型に分類されます。

貯蓄型保険

貯蓄型保険は、契約期間中に保障も確保しながら、お金が貯まるタイプの保険です。

また、数年後に解約すると解約返戻金としてお金が戻ってきます。

返戻率は契約期間によって異なりますが、掛け捨ての保険に加入して病気にならなければ全くお金が返ってこないのはイヤと考える方は、選択肢に入ってくるでしょう。

ただし、貯蓄性の機能がある分、保険料は掛け捨て型よりも高くなります。

そして、解約返戻金受取を目的で、保険を解約すると保障はなくなりますのでご注意ください。

FPからのワンポイントアドバイス

長らく日本では低金利の状態が続いていますが保険の貯蓄性にも影響し、保険は貯蓄商品としての魅力はほぼないといっていいような状態になっています。

よって、保険はもしもの時の保障を確保するためのツールとして割り切って掛け捨て、貯蓄は別の手段の活用をおススメすることが多いです。

ポイント③:保険料の払込期間と他社との違いをチェック

自社にあった税理士とは

払込期間を選ぶ

保険料の払込期間も、60歳までなどと期間を決めて払い込む「短期払いタイプ」と一生涯払い込む「終身払いタイプ」があります。

年齢や保障内容等の契約条件が同じ場合、短期タイプと終身タイプを比較すると、短期タイプの方が、短期で払い込んでしまいますので保険料が高くなります。

ただし、契約内容や契約年齢等によりタイミングは異なりますが、長生きをした場合、総支払保険料では、終身タイプが短期タイプを上回ってしまう時期がきます。

短期払いは、早期に保険料の支払いを終えるので、生涯の総支払保険料負担が軽くなる可能性があり、長生きに強い支払方と言えます。

終身払いは、逆に長生きをすればするほど、保険料の負担が積み上がっていきますので、長生きに弱い支払方と言えます。

他社と保険料を比較してみる

同じような保障内容、払い方でも、保険会社により保険料は異なります。

希望する保障内容、保険のタイプ、払込期間等が定まってきたら、その内容で複数の保険会社から見積もりを取り、比較しましょう。

FPからのワンポイントアドバイス

最近は、一つの店舗で複数の保険会社の取扱いを行う、保険代理店が増えています。

いずれの代理店も見積もりは無料ですので、気軽に取り寄せをして比較検討に使うといいでしょう。

ポイント④:信頼できる保険会社を選ぶ

ポイント4

契約した保険会社が、万が一破たんしたら…と心配される方も多いです。

国内で事業を行うすべての生命保険会社は生命保険契約者保護機構に加入していますので、保険会社にもしものことがあっても一定の契約者保護が図られることになっています。

また、もう一つの保険会社の信頼度を図る目安として、格付け会社によって各保険会社の財務力を示した「格付け」があります。

格付け会社として有名なのは、S&P(アメリカ)、ムーディーズ(アメリカ)、R&I格付投資情報センター(日本)等があります。

最近はインターネットで、「保険会社、格付け、ランキング」等のキーワードで検索すると各保険会社の格付けがチェックできるサイトがたくさんあります。

信頼度を図る目安としては参考になるでしょう。

医療保険加入のケーススタディ

モデルケース

これまでの、医療保険選びのチェックポイントから、加入の仕方により、どれくらい保険料が違うのかを試算してみます。3タイプをシミュレーションしてみました。

※契約内容は、各保険会社によって異なるため、あくまで一例であることは忘れないでください。

試算前提:年齢39歳、男性、医療保険日額10,000円

ほぼ同じ内容での比較ですが、加入の仕方で、毎月の支払保険料、トータルの保険料負担も大きく違うことが分かります。

加入方法は、家計とのバランスと同時に、総支払保険料額も考慮して検討していただきたいと思います。

FPからのワンポイントアドバイス

定期タイプの更新型は、若い時は安いのですが、年齢を重ねて、更新するたびに保険料が上がります。

仮にそのまま継続して更新した場合、保障期間が短いにも関わらずトータルの保険料負担は3つのケースの内一番高くなります。

若い方で、短期間、安い保険料で保障を確保したい場合には活用価値はありますが、長くお付き合いができる仕組みにはなっていない点にはご注意ください。

まとめ|医療保険は、もしもの時の保障と貯蓄とのバランスを考える

もしもに備える

保険は基本的に、もしものアクシデントが起こらないとお金は受け取れないものですから、もしもの時のことばかり考えて医療保険に保険料を回しすぎては、将来の長生きリスクに備えた貯蓄ができないということにもなりかねません。

よって、医療保険選びの最重要ポイントは、病気やケガの時の保険での備えと、健康で長生きをした場合の貯蓄との備えのバランスを考えるということになります。