人手不足が続き、転職市場が活発な現在では、優秀な人材の確保が大きな課題となっています。

特に中小企業では、転職先を決める上で大企業と比べて福利厚生が充実していないというイメージがあること、よりよい職場環境を求めて離職者がでてしまう可能性があることなどから、「働きやすい環境」の提供が必要不可欠です。

しかし、中小企業が大企業のような充実した福利厚生制度を単独で整えることは難しいでしょう。

また、

何から手を付けてよいのか
何を重要視するべきか
福利厚生制度によるコストはどれくらいか
福利厚生制度を整えるための労力はどれくらいか

などの、不明点も多いことでしょう。

 

そこでおすすめなのが、気軽に安価で福利厚生制度を導入できる福利厚生サービスのアウトソーシングです。

福利厚生サービスを外部の専門業者へ委託することで、福利厚生の選択肢を広げ、コストと労力を抑えることが期待できます。

今回は福利厚生のアウトソーシングのメリット・デメリット、注意点や業者の選び方について解説します。

福利厚生のアウトソーシングサービスとは

福利厚生のアウトソーシングとは、福利厚生サービスを専門的に請け負っている外部の企業へ委託することです。

従業員への福利厚生として保養所・介護施設・学習機関など外部のサービスと一つずつ契約を結ぶ必要がなくなります。
さらに、社内で利用申請書を書いたり、それを承認したり、支払処理などの作業を丸ごと外注できます。

福利厚生アウトソーシングのサービスプラン

アウトソーシングサービスのプランには大きく分けて、福利厚生全般をサポートするパッケージプランと、カフェテリアプランといって従業員が使いたい福利厚生を選べるサービスの2つがあります。

<福利厚生アウトソーシングの主要な2プラン>

パッケージサービス  定額制 提携しているサービスの中から選択して利用
カフェテリアプラン  ポイント制
(補助金制)
ポイント内で自由に選択して利用

パッケージプラン

パッケージプランとは、複数の福利厚生サービスが1つのプランとしてまとめられており、含まれているサービス全てを割引価格で利用できるプランです。

メリットは、契約後、社内での運用の手間がほとんどないことです。

デメリットとしては、割引価格で利用できるのはよいのですが、結局は実費で利用するため、従業員から「使えないものばかり」と判断されると、利用率が下がってしまう可能性があることです。

カフェテリアプラン

カフェテリアプランは、予め個人にポイントを付与し、自分の好きなサービスにポイントを使うことで割引価格で利用できるプランです。

メリットは個人でポイントを制御できるため、使いたいメニューに多くのポイントを消費することで高い割引率を実現でき、福利厚生の利用率の向上が期待できる点です。
デメリットは、パッケージサービスよりも費用がかかることが多い点と、制度の設計や定期的な見直しが必要なことです。

福利厚生をアウトソーシングすることのメリット

次に福利厚生をアウトソーシングすることのメリットをみていきます。

運用の手間がかからない

社内で福利厚生制度を運用すると、従業員からの利用申請や、その管理・施設への予約・支払いなどが必要になります。利用頻度が高いと予約や決済などの処理も煩雑になり、担当者の負担も増してしまいます。

アウトソーシングサービスでは主にインターネットを利用して、各従業員が直接利用申請・決済しますので、社内で煩雑な手続きをする必要はありません。

利用状況の把握が容易

主な福利厚生アウトソーシングサービスでは、利用状況の実績報告や利用率向上のための施策提案を受けられます。集計の手間なく利用実態が把握でき、今後の福利厚生制度運用などに活かせます。

コストが安く管理しやすい

自社だけで法定外福利厚生を充実させようとすれば、いくらで契約するか、コスト管理も難しくなってきます。

一方アウトソーシングサービスでは、代行業者が大口契約を結ぶため、費用が安く済みます。

一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)の2016年度12月の報告によると、福利厚生代行サービスに要する費用は従業員1人あたり月額250円~499円が最も多くなっています。
数百円から導入できると聞くと、かなり安く感じるのではないでしょうか。

<第61回 福利厚生費調査結果報告(2016年4月~2017年3月):経団連ホームページより抜粋>

福利厚生の費用分布

人材の確保と維持

中小企業では、福利厚生制度を充実させることまで手が回らないことも多々あります。
そのため、福利厚生制度を整えられずに他の企業との採用競争に負けてしまう可能性も考えられます。

優秀な人材が、福利厚生が整っている他の企業へ転職してしまうかもしれません。

他の企業に引けを取らない福利厚生をすぐに導入できることは、アウトソーシングサービスの大きなメリットのひとつでしょう。

豊富な選択肢で利用促進

保養所の時代は終わり?

大企業は多くの保養所や運動施設などの福利厚生施設を運用していることがありますね。しかし大企業でさえ、こうした施設を廃止し、アウトソーシングサービスへ切り替え始めています。

その理由の一つに、従来の福利厚生が従業員のニーズに合わなくなってきたことがあげられます。

選択肢は多い方が多様なニーズに対応できる

インターネットが普及している現代では、さまざまなサービスを比較し、その中から好きなサービスを選ぶことが普通になっています。

今までのように、決められた保養所の中から宿泊先を選ぶよりも、アウトソーシングサービスの提供しているさまざまなホテルから選択できるほうが、従業員にとっても嬉しいのです。

また、従業員の年齢によっても利用したい施設は異なります。社員食堂のメニューがベテラン社員には好評でも、若手の社員には不評ということもあるでしょう。
社員食堂よりも、複数の候補から好きな飲食店を選択できるサービスの方が嬉しい場面も多いのです。

アウトソーシングサービスは専門の業者が提供しているため「若手向け」「女性向け」「既婚者向け」「健康促進」「レジャー」など、サービスの種類も豊富で多様なニーズに応えれるのです。

福利厚生をアウトソーシングすることのデメリット(注意点)

利用されないリスク

せっかく用意した福利厚生サービスも従業員のニーズと合っていないと、あまり利用されないリスクがあります。

その場合は契約内容の見直しをしましょう。
パッケージサービスでの利用度が低いのであれば、カフェテリアプランに変更するなどの対策を講じる必要があるかもしれません。

カフェテリアプランのポイントは繰越ができないことも

カフェテリアプランのポイントは、繰越しができずに無駄になってしまうリスクもあります。ポイントの有効期限は1年となっていることが多く、利用するサービスを期限内に選んで申請しなければいけません。
忙しくしている従業員などは、1年あっても申請し忘れてしまうかもしれませんね。

福利厚生をアウトソーシングする際の業者の選び方

近年、福利厚生のアウトソーシングサービスを提供する業者は急増しています。選択肢があるのはよいのですが、どの業者がよいのか迷うことも多いでしょう。

福利厚生アウトソーシングサービスの業者を選択するためのポイントをみてみましょう。

アウトソーシング先に求めるものを明確にする

提供しているサービスのメニューや、契約形態は業者によってまちまちです。
旅行やレクリエーションに力を入れている業者もあれば、中小企業向けのプランを用意している業者もあります。

そのため、自社のニーズにあったサービス内容を提供している業者を選ぶことが重要です。
「導入費用が安く、幅広くたくさんのメニューがあればよい」、「少し費用が高くとも、実際に使えるメニューが多く、社内配布資料作成など利用促進の手伝いもしてくれる方がよい」など、福利厚生のアウトソーシング先に求めるものを確認してから業者を選択するとスムーズでしょう。

会員数・導入例の多さ

会員数の多いアウトソーシングサービスを利用することで、小さな会社でもスケールメリットを享受できます。小さな会社でもまるで大企業のような福利厚生を実現できるのです。

また、あまりにも規模の小さなアウトソーシング業者だと、倒産やアウトソーシング事業からの撤退などのリスクも無視できません。

福利厚生アウトソーシングサービス業者の規模は、その会員数や導入例の多さで確認できます。
就職先として人気のある企業が導入しているサービスを参考にしてもよいでしょう。

サポート・フォロー体制

連絡方法や対応時間帯など、利用者へのサポート体制が整っているかどうかも重要なポイントです。
会員サイトへログインできない、間違ったメニューを選択してしまったなど、キャンセルの仕方がわからないなど、細かな問い合わせに丁寧に対応してもらえれば、利用度も上がるでしょう。
大手の業者では平日休日問わず、フリーダイヤルを設けていることがほとんどです。

実務のサポートとしては、従業員の利用実績によるメニュー変更のアドバイスなど、導入後のフォロー体制についても確認しましょう。
導入後、思ったように利用が増えないなどのトラブルが起こった場合に、どこに相談ができるのか、実際にどのような施策の実績があるかなども確認するとよいでしょう。

福利厚生アウトソーシングのおすすめサービス

次に、福利厚生アウトソーシングのおすすめ業者を見ていきます。

会員数ナンバーワン!ベネフィット・ステーション

9,555社以上、1042万人の導入実績(ベネフィット・ワン公式ホームページより)をもつ、ベネフィット・ワン株式会社が運営するベネフィット・ステーション。
月会費は1人当たり380円~で、4つのプランから自社にあったコースを選択でき、いずれのコースでもベネフィット・ステーションの120万件にものぼるすべてのサービスを利用できます。
HP:https://bs.benefit-one.co.jp/bs-official/index.html

福利厚生アウトソーシングサービスのパイオニア!リロクラブ

福利厚生アウトソーシングサービスの草分け的存在ともいえるのが、株式会社リロクラブです。オリコン株式会社の実施している日本顧客満足度調査「福利厚生サービス」で2017年に1位に選ばれています。
契約社数は10,000社・会員数630万人(リロクラブ公式ホームページより)と、ベネフィット・ワンと並ぶ2大サービス業者です。

リロクラブの特徴は、地域密着型のメニュー開発や総務人事向けのオプションメニューが充実していることと、営業担当者によるフォローアップなどの取り組みにより利用促進ができることです。
HP:https://www.reloclub.jp/

旅行系が充実してるJTBベネフィット

JTBグループ会社である株式会社JTBベネフィットは、旅行の予約や相談の受付をプロに案内してもらえます。
費用は定額コースの場合1人につき月額350円からで、国内旅行利用時に1泊あたり1,000円以上の補助金を回数の制限なく利用できるというメリットもあります。
HP:http://company.jtb-benefit.co.jp

まとめ

時間とコストを削減しつつ従業員の満足度を上げる、福利厚生アウトソーシングサービス。
福利厚生費は要件を満たせば全額損金扱いになり節税にもなるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。節税についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
福利厚生費で節税する!導入すべき10の福利厚生と注意点