老後の生活資金を視野に入れて資産形成をする場合、貯金だけでは得られるメリットがほとんどありません。

2019年時点における定期預金の金利は、※0.01~0.03%程度となっており、長期間預けてもほとんど利息が付きません(※参考:価格.com – 定期預金比較 | 金利・利率・利息比較、キャンペーン情報

だからこそ、資産運用の仕方は真剣に考えるべきです。運用方法によっては、老後の生活資金が大幅に変わってくる可能性もあります。

今回は、特に運用内容によって大きな差が出る、資産1000万円以上の運用方法について、考えてみましょう。

1.1000万の資産があるならば、“お金がお金を産む” 資産運用を検討しよう

金額が大きいければ大きいほど、資産運用のしかたによる差も大きくなります。1000万円という金額は、資産運用を行うには十分な資産と言えます。その理由として、投資先の選択肢の幅が増えることや、運用方法によってはかなりの利益が見込めるでしょう。

老後を考えると貯金だけでは危ない

1000万円を定期預金にしても、定期預金の金利は0.01~0.03%程度と低いためほとんどメリットがありません。

仮に、1000万円を0.03%で5年間預けた場合に得られる利息は、わずか1万5000円程度(税引き前)です。

つまり、1000万円貯金しても、ただ保管しているだけになってしまいます。今後、金利が上がらなければ、20年預けても6万円程度にしかならなりません。

では、1000万円を資産運用に回し、1年あたり5%の利益が得られたらどうでしょうか。

5年間運用すれば、250万円(税引き前)の利益を生むことができます。

得られた利益を元本に組み込んでいけば、さらに利益は増えていきます。

資産構築を早められる

1000万円を元手に資産運用すれば、大きな収益を得られるチャンスがあり、資産構築を早められます。

将来の安心を手に入れるには、できるだけ多額の資金を早い時期に運用するべきです。

とはいえ、資産運用にはリスクが伴います。努力して貯めた多額の資金を投資に回すのは、ためらいもあることでしょう。

しかし、投資商品のなかには、ローリスク・ローリターンの方法もあります。自分に合った投資方法を選べば、不安も軽減されるでしょう。

たとえば、個人向け国債なら、2019年現在最低利率は年0.05%と設定されています。

国が破綻しない限り元本割れの心配がなく、定期預金よりも高い利息が見込めるローリスクな商品です。(※参考:現在募集中の個人向け国債・新窓販国債 : 財務省知りたい!個人向け国債 | 大和証券

また、投資信託なら分散投資が可能で、運用をプロにまかせることができます。

投資を始めたいと思ったら、まずはどのような投資先があるのか調べてみましょう。

2.1000万の資産運用でリスクを少なくするポイント

投資初心者にとって、最も不安なことは元本割れのリスクでしょう。

投資で運用する以上、元本割れのリスクは付きものです。しかし、できるだけリスクを少なくする方法はあります。

では、投資初心者が取り組むべきリスク管理には、どのようなものがあるのでしょうか。

資産を一点集中させない

投資商品には、株式や不動産で資産を運用する不動産投資信託(REIT)、国債、社債などさまざまな種類があり、リスクの高さもリターンの大きさも異なります。資産を分散させることで、リスクを抑えながら運用することが可能です。

たとえば、同じ銘柄の株式に全額投資をしてしまうと、株価が下がったときに損失が大きくなります。そのため、投資先はできるだけ性質の異なる商品に分散させることが基本です。また、投資先には国内だけでなく、海外の投資商品もあります。

積極的にリターンを狙いたいのであれば、海外の新興国株式や債券に投資をしてみるのもいいでしょう。

その場合も、全額新興国に投資するのではなく、先進国株式や債券などと組み合わせることが重要です。

1000万円という資産を何にどのくらいの割合で投資するのか、検討する必要があります。

余裕資金でやる

資産運用の資金は、近いうちに使う予定のない余裕資金を投資に回すことが基本となります。

資金が必要になったときに、元本割れのまま現金化しなければならなくなる事態は避けたいものです。

そのため、普段の生活費や事業資金などは、流動性があり、元本割れのない普通預金や当座預金などで管理する必要があります。

もし、1000万円を投資に回すのであれば、万一損失が出ても生活に支障がない金額なのか、事前に検討すべきです。数年後に住宅や車などの購入を考えている場合は、その分のお金は含めないほうがよいでしょう。

ポートフォリオを作成する

投資をする際は、ポートフォリオを作成することで、リスクとリターンのバランスを把握することができます。

この章では、投資におけるポートフォリオについて、概要や作成するメリットなどを解説します。

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、保有する資産をどの投資先にどのくらい投資しているのか、投資先のバランスや比率のことをいいます。投資をする上で、ポートフォリオの作成は欠かせないといわれています。

さまざまな商品に分散投資することで、投資の価格変動を抑えることができるからです。

もし、ポートフォリオを作成せずに、株式だけに投資した場合、株価の変動によっては資産を大きく損なうことにもなりかねません。

ポートフォリオを設計するメリット

ポートフォリオを作成すると、リスクやリターンをコントロールしやすくなります。大きなリターンを期待するのであれば、海外株式の割合を多くしてもいいでしょう。

たとえば、1000万円のうち500万円で株式を購入し、残りの500万円で債権を購入した場合、ポートフォリオは株式50%、債権50%です。

株式と債券を組み合わせることで、ある程度のリターンを維持しながら、リスクを軽減することができます。

もし、リスクをもっと低くしたいのであれば、債権の割合を増やし、株式の割合を減らせばよいでしょう。

逆に、より大きなリターンを狙いたい場合は、100%株式へ投資し、そのうち国内株式や海外先進国株式、新興国株式を組み合わせるという方法もあります。

ポートフォリオは、自分が目指したい運用方法に合わせて決めましょう。

 

3.目的別・1000万から始めるおすすめ資産運用

大口資金で資産運用する場合、どのような運用方法があるのでしょうか。

ここでは、8つの投資先を挙げ、リスクが低いものから、ハイリスク・ハイリターンな投資まで紹介していきます。

国債・地方債

極力リスクが少ない投資をしたいなら、国債や地方債がおすすめです。

公的機関が発行する債券は、破綻するリスクが少なく、安定した収益が期待できます。

銀行の預金よりも利率が高めに設定されていることも魅力といえます。

元本を減らすことなく、安全に利益を得たい人に向いているでしょう。

ただし、国債や地方債には資金が返還されるまでの決まった期間があり、満期まで保有せずに中途解約した場合は利息が少なります。

さらに、中途解約できない期間もあるため注意が必要です。

市場で売却することも可能だが、買値よりも安くなってしまうリスクもあります。

そのため、満期まで保有できるような余剰資金で投資するのが基本です。

また、預金より利率が高いとはいえ、大きなリターンは期待できないでしょう。

社債

債券投資には、一般企業が発行した社債に投資する方法もあります。

公的機関に比べて信用度が低いものの、国債や地方債よりも高い利率が期待できるのが魅力です。

社債には国内の企業が発行する国内債券のほかに、海外の企業が発行する外国債券もあります。

外国債券は国内債券よりも利率が高いことが多いです。

大きなリターンも期待できるが、為替変動には注意しなければならないため、為替のタイミングを見て購入する必要があります。

債券投資の場合、基本的に償還期間まで保有し続けることで利益を出します。

そのため、株式投資のように価格変動を気にすることなく、一度投資したら償還まで待つだけです。

社債への投資は、初心者投資家や忙しい人に向いているといえます。

外貨預金

高金利な預金で利息を多く得たいなら、外貨預金で資産運用する方法もあります。

外貨預金とは、外国の通貨で預金をすることで、日本にはない高金利な通貨で預金することも可能です。

また、為替の差より、利息以上にリターンを得られることもあります。たとえば、1ドル100円のときにドルで預金をして、1ドル120円で円へ換金すれば、それだけで20円の利益になります。

日本の銀行を通して外貨預金をすることもできるので、気軽に始められることもメリットです。

一方で、外貨預金は元本保証ではないことに注意したいです。

為替変動により、日本円に換金した際に元本を下回ることもあります。

さらに、預入や払い戻しの際には手数料も発生するため注意が必要です。外貨預金は預けるタイミングを見極める必要があるでしょう。

株式投資

株式投資は企業が発行した株式を購入し、配当金や売却益で利益を得ます。

また、配当金のほかにも、投資した会社の割引券や商品券などの株主優待券を受け取れます。

一方で、株価は常に変動しているため、売買のタイミングが難しいことがデメリットです。

景気が大きく後退したり、企業の業績が悪化したりすれば、大幅な株価下落もあり得ます。

特定の会社だけに多額の資金を投資するのは、避けたほうが無難でしょう。

株式投資は応援したい企業がある人や、株式投資に関する知識がある人に適した投資先です。

ヘッジファンド

ヘッジファンドとは、金融先物や商品先物などを含めて資金を運用する投資信託の一種。

通常の投資信託との違いは、投資金額が最低でも1000万円以上で、公募ではなく私募形式で資金を集めるところです。

1000万円以上の余裕資金があるからこそ始められる、富裕層向けの投資信託です。

ヘッジファンドの最大の特徴は、必ずしも市場の動向に連動しないところといえます。

ヘッジファンドでは、先物や信用取引などを行い、相場が下落しているときでも利益を出すことを目指します。

大口資金を大きく増やしたい投資家におすすめです。

FX

FXとは、他国の通貨を取引して為替差益で利益を得る投資手法です。外貨預金との違いは、レバレッジをかけられる点です。レバレッジとは、元手資金の数倍で取引できる投資手法のこと。たとえば、元手資金100万円に3倍のレバレッジをかければ、300万円分の外貨を取引できます。利益が出れば、リターンも3倍になるというわけです。ただし、損失が出た場合も3倍になるため、ハイリスク・ハイリターンな投資といえます。

また、レバレッジ取引には、売りから取引を開始する「空売り」という手法もあります。

空売りなら、相場が逆の動きをしたときも利益が見込めるのです。

たとえば、1ドル120円のときに売り、1ドル90円で買い戻せば30円分の利益が出ます。

そのほか、通貨を保有しているだけで利息がもらえるスワップポイントも魅力です。

FXは大きなリターンが期待できる一方でリスクも大きいため、少額投資から始めるのがおすすめです。

先物取引

先物取引とは、あらかじめ商品の売買価格や数量を約束し、特定の期日に取引するという投資手法です。

たとえば、3カ月後に100リットルのガソリンを1リットル150円で購入することを約束するとします。

3カ月後、約束どおり100リットルを1リットル150円で購入。

購入したときのガソリンの時価が1リットル180円になっていたとしても、150円で購入できるため、3000円の利益が出ることになります。

このように、先物取引では将来の商品の価格を予測し、購入の約束をするというものです。

ただし、実際には商品の受け渡しはなく、差額のみ受け取るという投資方法です。

「売り」からの注文もできるため、値下がりすると予想したときにも利益を出せる可能性があります。

一方、予想とは逆の値動きをした場合は損失となります。先物取引は価格予想が難しく、ハイリスクな投資手法です。そのため、投資上級者向けといえます。

仮想通貨

比較的新しい投資先として注目を集めているのが、仮想通貨投資です。

2017年~2018年にかけて仮想通貨の価格は大きく上昇し、投資家のなかには多額の利益を得た人もいます。

仮想通貨といえばビットコインがメインですが、ほかにもリップルやイーサリアム、ビットコインキャッシュなどのアルトコインも人気です。

ビットコインとは異なる特徴を持ち、将来性が期待されているコインもあります。

一方で、仮想通貨は価格変動が激しく、ハイリスクな投資対象です。

短時間で数倍の値動きをすることも多く、常に価格変動を気にしていなければなりません。

また、仮想通貨で得た利益は雑所得となるため、利益にかかる税率にも注意が必要です。

仮想通貨に興味があり、少しずつ投資経験を積みながら大きな利益を狙いたい人に向いているでしょう。

4.まとめ|リスクとリターンを加味し最適なポートフォリオを組む

計画的に資産形成をするなら、ポートフォリオを作成し、リスクとリターンのバランスを見ながら運用していく必要があります。

そのためにも、それぞれの投資の特徴を知り、自分に合った投資先を見つけることが大切です。

リスクをできるだけ負いたくない場合でも、全額を定期預金にするのではなく、リスクの低い投資商品へ投資することも検討してみましょう。

大きなリターンを期待する場合も、分散投資でリスクを軽減することが必要です。