将来や老後に不安を抱えている人が増えてきています。

公的年金だけで生活していくことが難しいケースもあるといわれているため、多くの人が自助努力の必要性を感じていることでしょう。

そのため、できるだけ多くの貯金をしようと考えるケースも多いですが、ゼロ金利と言われている現在、貯金だけでは十分な資金を確保できるかどうかはわかりません。

また、資金を増やすために資産運用をはじめてみたいと思っても「リスクが怖い」と後ろ向きになっている人も少なくないでしょう。そこで、「保険」を活用した資産運用がおすすめです。

1.保険による資産運用は他の資産運用と比較してどうなのか?

 

リターン

理解しやすさ

手軽さ

知識が必要ない

貯蓄型保険

株式

×

×

投資信託

×

不動産投資

 

資産運用には、さまざまな方法があります。

主な方法としては、株式や債券、投資信託へ投資する金融資産投資、賃貸不動産に投資する不動産投資、貯蓄保険を利用する保険への投資などがあげられます。

まず、株式や債券、投資信託などの金融資産投資と保険への投資を比較した場合、投資による利益以外のメリットが得られるかどうかが異なるので、その点を認識する必要があります。

金融資産や不動産で運用する場合と保険で運用する場合の大きな違いは、万が一の保障があるかどうかです。

株式や債券、投資信託への投資を行えば、うまくいった場合に利益が得られます。

しかし、保険を利用した場合は、運用益(資産の運用によって得られた利益)だけでなく万が一の病気やケガなどに対する保障が得られるというメリットがある点が特徴です。

ただし、手数料などのコストを比較すると、保険の方が割高になるケースもあります。

それぞれの特徴を把握して、自分に適した方法を選びましょう。

いざというときにも安心を得たい人

いざというときに安心を得たいと考えている人は、保険での運用に適しています。

自らを被保険者とする死亡保険に加入すれば、死亡した場合に死亡保険金を手にできることが保険の特徴です。残された家族の保障などを重視する人は、貯蓄型の保険を利用して死亡保障と運用利益の両方を確保するとよいでしょう。

保険も併用して節税対策を行いたい人

節税対策を行いたいと考えている人も、そのほかの投資と並行して保険を利用するという選択肢もあります。

一定の要件を満たす保険に加入することによって、所得税や住民税の計算上、生命保険料控除の適用を受けることが可能です。

生命保険料控除は、支払った保険料のうち定められた一定の範囲内の金額について、所得控除の適用を受けて所得を圧縮できる制度です。

この制度を利用することによって、税負担の軽減を図ることが可能です。

投資の知識がない人

いざ投資を始めるといっても、投資に関するさまざまな指標などを学んだり、経験値を積んだりしなければ長期にわたる安定した資産運用をするのは難しいといえます。

しかし、保険で資産運用を始める場合は、最初に保険の仕組みを理解し、保険商品を選択すれば毎月決まった金額の保険料を振り込むだけです。したがって、投資に関する難しい知識などが必要ないため、初めて投資を始めるといった人でも気軽に資産運用を始めることができるでしょう。

2.保険で資産運用するデメリット

保険で資産運用をすることで、節税対策ができたり、資産運用をしながらいざというときの備えになったり、保険の仕組みを理解しさえすれば投資先を都度考える必要がないなど得られるメリットはたくさんあります。しかし、その一方でデメリットもあるため、事前に知識として蓄えておきましょう。

掛け捨て型保険と比較して保険料が高くなる

保険には、「貯蓄型保険」と「掛け捨て型保険」があります。保険で資産運用をする場合、貯蓄型保険を選択するケースが一般的です。貯蓄型保険は、掛け捨て型保険と比べると保険料が高くなるケースが考えられます。

保険料が高くなると、毎月の負担額が大きくなります。負担額が大きくなると、続けていくことが難しくなり途中で解約をして結果的に損をしてしまった、という事にもなりかねません。

途中解約をすると、支払った金額よりもらえる金額が少なくなり、「元本割れ」のリスクが考えられます。

途中で解約することにならないためにも、契約時に毎月積み立てることができる金額を把握しておくことが大切です。

予定利率が下がる可能性がある

予定利率とは、保険会社が支払える予定の利率のことです。したがって、予定利率が高ければ返戻率も高くなるということになります。

予定利率が下がると返戻率も下がることになるため、契約者が受け取る配当が減少して保険で運用するメリットがなくなることも。

しかし、経済状況が悪化したり、運用実績が悪く保険会社の経営が悪化して存続が危ぶまれたりという状況になるなどの場合は、例外的に予定利率の引き下げによる利益状態の改善によって保険会社の経営改善を優先する可能性もあります。

将来どのくらいの金額が必要か、返戻り率はどのくらい必要か、いつまで仕事をつづけるか、新たな保険に入ることが必要とならないか、などを事前に考えておくと安心です。

3.保険で資産運用をするときに抑えておくべき3つのポイント

保険で運用を行う場合には、主に3つの点を認識しておくことが大切です。

期間の設定

1つ目のポイントは保険期間です。どの程度の期間、保険に加入するのかについてよく検討することが大切です。

保険は、期間が定められている定期保険や養老保険、死亡するまで保障が続く終身保険などがあります。

満期が定められている保険についても、どの程度の期間加入するかを選択できる場合が多くあります。

長ければよいというわけではなく、必要な期間にしぼって必要な保障を付けることが重要です。

また、保障の必要がない期間まで加入すると、無駄な保険料を支払うことになってしまうため注意しましょう。

保険料の確認

2つ目のポイントは、保険料の負担です。

保険金額を大きくし保険期間を長くすれば、保障を大きくすることができます。

しかし、大きな保障を確保しようとすると、その分、高い保険料を負担することになります。

保険で運用することによって一定の安定収入が得られる仕組みにはなっているが、過大な保険料負担は家計に悪影響を及ぼす可能性があります。

いつまで給与収入が継続して入るかも含めて確認し、毎月の保険料支払いを無理なく継続できるかどうかをよく検討したうえで、保険に加入するようにすることが重要です。

本当に必要な保険の選択

3つ目のポイントは、自分にとって本当に必要な保険を選択することです。

保険には、保障期間や保障範囲が異なる多数の商品があります。

したがって、万が一のけがや病気、重い障害などに備えたい場合は、複数の保険に加入すれば手厚い保障を得ることが可能です。

しかし、むやみに加入する保険の種類を増やすと、必要のない保障まで付けてしまうなど、結果的に保険料の負担が大きくなり、可能性も否定できません。

必要のない保障までつけていては、保険料が高くなり保険で資産運用をするどころか出費がかさばり本末転倒となりかねません。

保険を選ぶ際には、何に対するリスクをカバーしたいのか、何歳まで保障が必要なのかなど、自分の年齢や経済状況から判断し選択することが大切です。自分にはどのような保障が必要なのか十分に考える必要があります。

4.貯蓄型保険の種類とそれぞれのメリット

一般的に、資産運用に適した保険は、掛け捨て型保険ではなく貯蓄型保険であるといえます。

また、他の保険と同じように貯蓄型保険にもいくつかの種類が存在しています。

ここでは、主な貯蓄型保険について解説します。

終身保険

1つ目は終身保険です。終身保険は、保険期間の定めがなく、被保険者が死亡すると死亡保険金が支払われて契約が終了するタイプの保険です。

終身保険は、被保険者を生涯にわたって保障する保険で、契約が続く限り、いつか死亡保険を受け取ることができます。したがって、保険期間の定めがある定期保険などと比較し、高めの保険料が設定されています。

また、保険会社は、定期保険と比較すると高い保険料を預かることで、保険金支払いや解約返戻金支払いのために運用することが特徴です。

つまり、終身保険のメリットは、死亡保障を確保しながら解約返戻金を受け取れることであるといえます。

一般的に、保険料の払い込み期間を短く設定し、解約の時期を保険料の支払い期間よりも後に設定することで、解約返戻金が支払った保険料を上回る可能性が高くなります。これにより、終身保険の貯蓄性を高めることができるので、資産運用としても活用できます。

学資保険

2つ目は、学資保険です。学資保険は、こどもの教育資金に備えるための保険です。主な契約者は両親のいずれか、被保険者は子供となっています。また、保険会社によっては、条件を満たせば祖父母が契約者になれるケースもあります。

学資保険は一般的に、子供の年齢が18歳、20歳、22歳などに達する年齢に満期を設定し、満期を迎えると学資保険金(学資年金)を受け取ることができるようになっています。

商品によっては子供の進学にあわせて祝い金がもらえる、年金形式で学資保険金を受け取ることができるといったものもあります。

学資保険は、契約者が死亡したり、所定の高度障害状態になったりした場合はその後の保険料の支払いを免除できる特約を付加できる商品が一般的です。しかも、その後の保険料の支払いが免除されることが特徴となっています。

また、学資保険も途中で解約しても解約返戻金を受け取ることができますが、支払った保険料を下回る可能性がありますので資産運用を目的として活用する場合は、「保険料を満期まで支払うことができるのか」よく検討する必要があります。

養老保険

3つ目は養老保険です。養老保険は、満期がある死亡保険です。

保険期間中に被保険者が死亡すると保険金が支払われるだけでなく、満期時に生存している場合、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れることが特徴です。

例えば、定年退職と同じ時期に満期を迎える養老保険に加入した場合、現役として働いている間は死亡保険で備え、満期を迎えた退職後に保険金を受け取り、老後の生活に備えるといった活用をすることも可能です。

保険会社からすると、満期までに必ず保険金を支払うことになるため、終身保険と同様に保険料は定期保険よりも高くなりますが、保険契約によっては支払った保険料よりも多い満期保険金を受け取ることができるため、資産運用手段としてもよく利用されている保険です。

もちろん、途中解約をした場合は、解約返戻金を受け取ることも可能ですが、解約返戻金は、払い込み保険料を下回ることが一般的です。

個人年金保険

4つ目は、個人年金保険です。個人年金は、主に老後の生活資金などに備えるための保険となっています。一定の期間保険料を支払ったあと、契約に定められた時期から年金で保険金を受け取ることができます。

資産運用の目的は、人によってさまざまですが、老後の資金を貯めたいといったケースでは個人年金保険を利用することも有効な選択肢の一つとなります。

また、個人年金には、年金受け取り時期によって3つのタイプに分けることができます。

一つ目は、被保険者の生涯に渡り年金を受け取ることができる終身年金です。被保険者が生存している限り年金を受け取ることができ、被保険者が死亡すると年金支給も終了します。

ただし、年金受け取り開始から一定の期間が保証期間になっている契約もあります。この場合に被保険者が死亡した時は、残りの保証期間で受け取れるはずだった金額が支払われることになります。

二つ目は、年金受け取りの時期があらかじめ決まっている有期年金です。有期年金は、例えば5年や10年など年金を受け取り時期が契約時に定められています。

また、終身保険と同じように年金受け取り開始から一定の期間を保証期間と定めている契約もあります。これにより、保証期間内に被保険者が死亡した場合は、残りの保証期間に受け取る予定だった金額が支払われるため、そこで年金の受け取りは終了となります。

最後は、年金の受け取り時期と金額があらかじめ確定している確定年金です。年金の受け取り時期が定められている点では有期年金と同じですが、年金受け取り期間中に被保険者が死亡したという場合でも、まだ支払われていない年金に相当する金額が受取人に支払われます。

変額保険

5つ目の保険は、変額保険です。変動保険とは、外国為替取引や投資信託の仕組みを取り入れて、死亡保険金額や解約返戻金、満期保険料の金額が運用に応じて変動する保険商品です。投資型の生命保険商品ですので、資産運用という観点では活用できる保険といえるでしょう。

一般的な保険は、保険金額があらかじめ契約で定められており、原則として変化することはありません。一方、変額保険は、運用状況がよければ受け取る保険金は増え、運用状況がよくない場合は支払った保険料よりも少ない保険金や解約返戻金となるケースがあることが注意点です。

なお、死亡保険金については最低保証される仕組みになっています。また、変額保険の種類によっては、自分で特別勘定(集めた大きな資金で専門家が分散投資を行い運用する)を複数選択することができます。したがって、資産を分散することができるため、リスクの回避をすることができます。

5.まとめ|自分の状況に適した保険の選択を

資産運用にはさまざまな方法があります。

なかでも、保険による運用は、死亡などの保障を確保しながら運用できることが特徴です。

もちろん、保険だけで運用をする必要はなく、いくつかの方法を組み合わせれば、メリットを最大限に活かしデメリットを抑えることにつながります。

保険による資産運用を行う場合は、負担する保険料が過大にならないようにすることが大切です。

また、さまざまな保険商品があるため、自分の状況に適した保険を選択することも欠かせないポイントとなります。もしも、保険の資産運用に迷ったら、知識や経験豊富なお金のプロである「ファイナンシャルプランナー」に相談すると安心です。

保険の特徴を理解し、資産運用手段として活用することを検討してみると良いでしょう。