転職活動をする際には、様々なサービスを利用することができます。
一般的には求人情報が掲載されている、いわゆる転職サイトと呼ばれるサービス経由で応募する方が多いでしょう。
その他にも、職務経歴書を提出してヘッドハンターからの連絡を待つスカウティングサービスや、知り合いづてで求人を紹介してもらうリファラルリクルーティング、また職業安定所(ハローワーク)に足を運ぶ選択肢もあります。
多様な転職方法がある中で、すべての方におすすめできるのが「転職エージェント」と呼ばれる転職サービスです。
市場規模も年々拡大し、ますます一般的な転職方法となりつつある転職エージェントですが、なぜ利用すべきなのか、またどの点で優れているのかについてはまだまだ認知度が低いのが実情です。
そこで今回は、そんな転職エージェントの基本的な使い方から、メリット、そしておすすめのエージェント会社までをすべてご紹介します。
目次
1.転職エージェントとは
それではさっそく、転職エージェントがどういったサービスなのかについて解説してきます。なぜ無料で利用することができるかについて、ビジネスモデルについても簡単にご紹介します。
転職エージェントは担当者付きの求人紹介サービス
転職エージェントとは、求人を紹介してくれる人材紹介会社、またそこで働くキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)と呼ばれる職員のことを指します。
転職希望者が転職エージェントに登録することで、担当となるコンサルタント(エージェント)から転職に関する様々なサポートを受けることができるサービスです。
担当のエージェントは、マンツーマンで転職希望者のことをバックアップすることになります。求人を紹介するだけでなく、応募勝利の添削や年収交渉まで、転職活動のスタートからゴールまでを徹底機にサポートしてくれるのです。
さらに、一部ハイクラス向けの転職エージェントを除き、ほぼすべてのエージェント会社が無料ですべてサービスを行っているのもポイントです。
転職エージェントのビジネスモデルとは
なぜ転職エージェントは無料で利用することができるのでしょうか。
実は、転職エージェントは転職希望者だけでなく企業側とも直接やり取りをしています。良質な求人を紹介することで、企業側から成果報酬を受け取っているのです。
多くの転職エージェントが、入社が決定した転職者の年収の約30%を報酬として受け取っています。年収が400万円の方だとしても、一人の転職をサポートしただけで約120万円の報酬となるのです。
これにより転職者側は無料でサービスを利用することができます。また、エージェント側には高額な報酬が発生するため、誠心誠意サポートをしてくれるのです。
2.転職エージェントのサービス内容と流れ
それでは、転職エージェントの具体的なサービス内容について触れていきます。
転職活動の流れに沿ってサービス内容を解説していきますので、実際に転職をするイメージを膨らませながらご覧ください。
2-1.キャリアカウンセリング面談
転職エージェントに登録すると、エージェントから連絡があります。日程を調整し、まずはエージェントとの面談を行います。
面談ではこれまでの職歴や転職理由、また転職における要望などを伝えます。エージェントからは、最新の市場動向や今後のキャリアプランなどのアドバイスを貰うことができます。
2-2.転職希望者に応じた求人の紹介
キャリアカウンセリング面談の情報をもとに、エージェントが求人をピックアップしていきます。カウンセリング場で求人を紹介される場合と、後日求人を提案されるケースがあります。
求人の中から、自分の希望に沿った求人をピックアップし応募を進めます。多くの転職エージェントが自社サイトを持っているので、そちらのマイページから応募をすすめるケースが多いです。
紹介された求人について気になることがあれば、都度確認することができます。
2-3.応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削
応募にあたり、履歴書や職務経歴書など応募書類の提出が求められます。特に職務経歴書は企業側の人事担当者が直接目を通すものなので、うまく自分をアピールできる内容でなければなりません。
転職エージェントに応募書類を提出することで内容を添削してもらうことができます。アピールするべき部分を膨らませ、また書く必要のない内容を削りブラッシュアップしていきます。
添削された内容をもとに応募を進めます。企業ごとに応募書類を変更する必要はなく、作成した応募書類を志望企業各社に一斉に送付します。
2-4.面接の日程調整
書類選考を通過すると、面接に進みます。複数の企業に一斉に応募するケースが多いので、複数の企業で同時に選考を進めるケースも珍しくありません。
エージェントが候補日を提示してくれるので、そこから選んでエージェントにお伝えします(各転職エージェントサイトのマイページからの場合も)。
各企業と日時をすり合わせ、面接日を確定します。
2-5.面接の対策・練習
面接を行うにあたり、企業ごとに対策を立ててアドバイスをもらいます。大手のエージェント会社であれば、これまでの傾向をもとに面接での具体的な質問内容までを知ることができるケースもあります。
担当エージェントや、エージェント会社が主催している面接対策会などに参加することも可能です。
2-6.内定後の年収交渉
2回〜3回ほど、面接や適性試験などの選考を進めます。無事内定を獲得することができましたら、最後に年収交渉を行います。
提示された金額に対して、希望に応じてエージェントが人事担当者と直接アップの交渉を行うのです。
もちろん、内定時に提示された年収によってはアップさせることが難しい場合もあります。年収額に納得し、内定を承諾することで晴れて転職活動は終了です。
3.転職サイトとの違い
転職エージェントのサービス内容の流れをご紹介しましたが、求人を紹介するサービスということで、「転職サイト」との違いも気になるのではないでしょうか。
明確な違いは、転職希望者と企業の間にエージェントが介入しているか否かです。転職エージェントと、転職サイトの分かりやすい違いと、それによるメリットを簡単にまとめた表が以下になります。
転職エージェント | 転職サイト | |
転職活動のスピード感 | エージェントが日程調整などのサポートに入ってくれるので、スピード感を持って転職活動を行うことができる。 | 求人の選定・応募・日程調整など全て自分自身で行わなければならないため、在職中の転職活動はどうしてもゆっくりに。 |
キャリアプランの相談 | 転職のプロであるエージェントが面談を行い、キャリアプランについてアドバイスをくれる。自身の強みや弱みを再発見できる。 | 転職サイト上の自己分析ツールなどを利用して、自分自身でキャリアプランを構築していくことに。 |
応募求人 | 面談結果に基づいた、採用確度の高い求人にアプローチができる。また、転職エージェントのみ保有している非公開求人案件も。 | サイト上に公開されている求人のみ応募可。 |
企業研究 | 企業の人事担当者と接点があるエージェントが、社風や離職率などの独自情報を提供してくれる。 | 企業HPや求人票などから自身で企業研究を行う。 |
サポート | 応募書類の添削や面接練習などの対策、また日程調整や年収交渉などの渉外サポートも充実。 | 情報サイトや書籍などをもとに、自身で転職活動を行う。 |
入社成功率 | 厳選された求人から応募を行うため、選考通過確度は高い。また、選考後に人事担当者にアフターフォローを行う場合も。 | 自身の実力次第。 |
その他 | 自分一人では見つけられない優良な求人を知ることができる。 | 自分のペースで転職活動を行うことができる。 |
この内容からも分かる通り、万人に勧められるのは転職エージェントです。
既に行きたい企業が決まっており、その企業一本で転職活動を行っていく際は転職サイトを利用した転職活動でもよいかもしれません。
ただしそのケースでも、企業研究や年収交渉のためにエージェントを利用する価値はあるといえるでしょう。
4.転職エージェント利用のメリット
上記の表で転職エージェントのメリットについて簡単に触れましたが、改めて、転職エージェントを利用する利点について、具体的にご紹介していきます。
4-1.非公開求人に応募ができる
転職エージェントを利用することで、一般の求人サイトには公開されていない非公開求人にアプローチすることができます。
事業戦略に直接つながっている求人や、スピード重視で採用したい求人など、企業はエージェントにのみ募集を依頼するケースがあるのです。
転職エージェントで最も求人数を持つ業界最大手のリクルートエージェントでは、約80%の求人が非公開求人であると明言しています。
転職エージェントを利用しない場合は20%の求人にしかアプローチできないと考えると、利用しないことによる機会損失は計り知れないでしょう。
4-2.プロの視点でキャリアを相談できる
サービスの流れでも説明した通り、転職エージェントを利用するとまずは面談を行うことになります。この面談では、これまでの職歴を伝えることで自身の市場価値を第三者視点で知ることができるのです。
自分では想定していなかったスキルに価値があったり、反対に自分では価値の高いと思っていた経験やスキルが勤めていた社内だけのものに過ぎなかったという場合もあります。
転職のプロの視点でキャリアの棚卸しをしてもらうことができるので、今後の転職活動の指針を再設定することができます。
4-3.日程調整を代行してもらえる
特に在職中の転職活動では、面接のスケジュール調整に少なくないコストを取られてしまいます。転職エージェントを利用することで、このスケジュール調整を大幅に簡略化することができるのです。
候補日を提案してもらうことができ、そこから選ぶのみで日程調整を行うことができます。あとは、担当のエージェントが企業と日程のすり合わせをしてくれるのです。
離職中の転職活動ではそこまで大きなメリットではないかもしれませんが、多くの方が在職中に転職活動を行います。そういった方にとっては思っている以上に有り難いサービスとなるでしょう。
4-4.細かな企業研究ができる
社風や離職率、ボーナスの額や残業の有無など、企業の内情は求人票だけでは知ることができません。
また、ボーナスや残業については、面接で聞いてしまうとネガティブな印象を持たれかねないので、入社後に知って後悔するといったケースが生じてしまうのです。
転職エージェントを利用することで、こういった実情を含めた企業研究を行うことができるのです。面接で聞けないことを予め知ることができるので、入社後のギャップを最大限減らすことができます。
4-4.面接の対策ができる
企業ごとにカスタマイズされた面接の対策をすることができます。
エージェントの中には人事担当者と懇意な関係構築ができている方もいるため、どういったポイントが評価につながるかなどを細かく知ることができるのです。
面接などの場面で緊張してしまいがちな方は、エージェントに面接対策をお願いすることもできます。実際に企業へ話すようなロールプレイを行うので、より実践的なアドバイスをもらうことができるでしょう。
4-5.面接後にフォローを入れられる
どれだけ対策をしても、面接本番で実力が十二分に発揮できなかったケースもあるでしょう。そういった際には、エージェントが直接企業側にフォローを入れてくれる場合があります。
面接で伝えきれなかったことや、こちらの意図が誤って伝わってしまったのではないかといった場合にはフォローをお願いすることができるのです。
また、エージェントと人事担当者が特に懇意な場合は、フォローばかりかエージェントが直接転職希望者をプッシュしてくれる場合もあります。
これは一人の転職活動では絶対に得ることができないメリットです。ぜひ活用しましょう。
4-6.年収やポジションなどの交渉ができる
内定をいただけたのち、実際のオファー金額やポジションについて転職エージェンを介した交渉が可能です。
自身で交渉することも可能ですが、あまりにも強気な交渉をしてしまうと入社後に厳しい目を向けられるといったこともありえない話ではないのです。
転職エージェントに肩代わりをしてもらうことでより相場に近い金額での交渉が可能になり、成功率も高まります。
4-7.すべてのサービスを無料で受けられる
そして、これらすべてのメリットを無料で受けられることが何よりのメリットとなるでしょう。
※中にはビズリーチのように有料の転職エージェントサービスも存在しますので、ご注意ください。
5.失敗しない転職エージェントの選び方
さまざまなメリットを得ることができる転職エージェントですが、最大のデメリットは「マンツーマンの担当制」であることです。
エージェントの中には新人でスキルが十分でない方もおられるでしょう。報酬のために少しでも年収の高い企業をおすすめしてくるエージェントも稀に存在しているという話もあります。
どれだけ評判が良い転職エージェント会社でも、一定数いるこういったエージェントが担当になってしまう可能性は否めません。
同じ求人だとしても、エージェントによっては転職成功率だけでなく年収やポジションを左右するケースも珍しくないのです。
では、どうすればこの問題を解決することができるのでしょうか。それは「複数登録をしてエージェントを選定していく」という方法です。
ここでは、失敗しない転職エージェントの選び方を詳しく解説していきます。
エージェントの選び方1.複数のエージェント会社に登録する
失敗しないエージェント選びは、まずはエージェント会社に“複数”登録するところから始まります。
マンツーマンでサポートをしてくれるということで、複数のエージェントを利用するのはなんだか申し訳ない気持ちになる方もいるそうですが、全く問題ありません。
転職エージェント利用者のほとんどが2社以上のエージェントを利用し、転職活動を行っているのです。そればかりか、より多くのエージェントを活用することで、転職活動の成功率は向上するのです。
転職求人サイト大手の「リクナビNEXT」の調査によると、エージェント利用者のうち、転職活動を成功させた方は平均して4社以上のエージェントを利用していたという結果が出ています。
転職希望者全体の登録数が2.1社なのに対し、転職成功者は倍の4.2社です。このことからも、転職エージェントは複数、それも4社以上のエージェントに登録するのが良いとわかります。
ただし、あまりにも多くのエージェントに登録してしまうと都度行う面談やメールのやり取りが煩雑化してしまい、結果利便性を失ってしまいます。
実際に登録するのは、5社程度に留めるのが良いでしょう。
エージェントの選び方2.面談とメールのやり取りで比較をする
サービス内容でも触れた通り、転職エージェントに登録するとキャリアカウンセリング面談からはじまります。また、その後はメールのやり取りを重ねて転職活動を行って行くことになります。
これら面接やメールのやり取りを踏まえ、各社のエージェントを比較していきましょう。エージェントの情報量やモチベーション、また返信のスピードなどが比較ポイントとなります。
4社、5社のエージェントに接することで、それぞれの善し悪しが分かるようになってきます。持っている情報量や、自分の強みを引き出してくれるような姿勢、また丁寧な話し方で安心して任せられる人など。
スキルやモチベーションの違いを比較検討し、この人となら一緒に転職活動を進めていきたい、と思える方を探し出すのです。
エージェントの選び方3.担当になってもらいたいエージェントを選定する
一緒に転職活動を進めていきたいという方を2,3人に絞ることができたら、残ったエージェントにはサービス退会を申請します。
サービスの退会はマイページから行うこともできますし、エージェントに直接連絡してもよいでしょう。その際は「他のエージェントで転職が決まりました」「現職で仕事を続けることにしました」などとお伝えすれば問題ありません。
エージェントは一度に何十人もの転職希望者を担当として受け持っていますので、強く引き止められることもないでしょう。
なお、転職エージェントから「別のエージェントサービスは利用されていますか」という質問をされることがありますが、複数の転職エージェントを利用することはよくあることなので、信頼関係を築くためにも素直に本当のことを言うのが得策です。
このように複数の転職エージェントに登録・利用することで転職エージェントとのミスマッチが起きるというリスクを最小限に留めることができるのです。
6.おすすめの転職エージェント
それでは、実際に登録すべき転職エージェントをご紹介していきます。
上でも触れた通り、転職エージェントの善し悪しは個人のスキルに左右されてしまいます。以下で紹介している6社のエージェントの中から最低でも4社は登録して、エージェントの選定を行っていきましょう。
なお、強いこだわりがない方や決めきれないという方は、「リクルートエージェント」「DODA」「type転職エージェント」「マイナビエージェント」の4社に登録しましょう。
6-1.リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント
人材紹介事業最大手のリクルートエージェントは、転職エージェント業界でもトップクラスの実績を誇ります。
募集求人数やエージェント在籍数、そして転職実績も非常に豊富で、実績に裏付けられたサポートを行ってくれます。
企業側のブランド価値も高く、大手企業や優良企業からも求人紹介を依頼されます。紹介する求人が増えると実績も伸び、好循環ができあがるのです。
過去の実績が豊富なので、応募書類の添削や面接の対策などのサポートも万全です。企業ごとに聞かれるであろう面接の内容を事前に共有してくれることもあります。
非公開求人も多いので、情報収集のためだけでも登録価値のあるエージェントと言えるでしょう。
6-2.DODA(エージェントサービス)

出典:DODA
転職エージェント業界でリクルートを追いかける規模のDODAは、人材大手のパーソルキャリアが運営する転職エージェントです。
「キャリアアドバイザーとの相性の良さ」や「経験を活かせる求人数」など、5つの分野で顧客満足度の高さを評価されており、利用者からの評判の良さが特徴です。
また、在籍しているエージェントは業界や職種、分野ごとに得意領域を持っています。自分のキャリアに近い分野の担当者をつけることで、企業研究やキャリア設計の精度が抜群に向上するでしょう。
DODAは転職エージェントだけでなく、求人掲載サイト(転職サイト)の役割も持っています。より積極的に転職したい方にとっては利便性の高いサービスとなるでしょう。
6-3.type転職エージェント

出典:type転職エージェント
関東圏の方であればtype転職エージェントもおすすめです。知名度はあまり高くありませんが、リクルートエージェントやDODAを追いかける規模感です。
知名度がそこまで高くないことから、エージェントが一度に担当する転職希望者はリクルートエージェントやDODAと比べて少人数であることが予想されます。つまり、その分一人あたりにかける時間が長いのです。
大手企業とのコネクションも豊富にあり、面接時には直接つながりのある担当者経由で詳細な面接内容を教えてもらえるケースもあるそうです。
特に関東圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の求人案件を取り扱っているので、圏内での(圏内への)転職活動を検討している方は利用したいエージェントの一つでしょう。
6-4.マイナビエージェント

出典:マイナビエージェント
新卒採用領域ではリクルートエージェントと双璧をなすマイナビエージェント。
キャリアカウンセリングに力を入れており、今回の転職だけでなく、転職を通した3年後・5年後・10年後のキャリアプランを見据えて面談を行ってくれるのが特徴です。
エージェントは業界・職種別にチームが編成されており、その業界のプロフェッショナル目線で転職希望者のキャリアプランを提案してくれます。
求人の8割がエージェント経由で紹介される非公開求人であり、思いもよらぬ優良案件を紹介してもらえることもあります。
※2018年4月現在、マイナビエージェントでは「年収アップ無料転職カウンセリング」を実施しています。
年収の20%アップを目標に掲げており、目的意識を持って転職活動を行うことができます。
6-5.Spring転職エージェント(アデコ)
Spring転職エージェントは、人材業界で世界最大規模の企業「アデコ」が日本で運営している転職エージェントです。
世界60各国に5,000以上の拠点を持つアデコならではのコネクションを活かした、外資系企業の求人を豊富に取り揃えているのが特徴です。
大手の転職エージェントは転職希望者の担当者と企業側人事との担当者が異なるケースがほとんどですが、Spring転職エージェントは両者の担当者が同じであるため、お互いの要望をダイレクトに伝えることができます。
イメージと実情のギャップが少なく、入社後のミスマッチを最小限に留めることが可能となるのです。
6-6.JACリクルートメント

出典:JACリクルートメント
JACリクルートメントは外資系企業やハイキャリアの求人紹介に強い転職エージェントです。年収が500万を超えるミドル〜ハイキャリア層の方は、JACリクルートメントを利用しましょう
非公開求人の中でも、JACリクルートメントだけが取り扱っている独占案件も少なくなく、機会損失をなくすためにも登録しておきたいエージェントの一つです。
エージェントの中には外人コンサルタントも在籍しており、英文応募書類の添削や、英語面接のフィードバックなどをネイティブの視点で受けることができます。
あまり知名度は高くないかもしれませんが、転職エージェントの中では数少ない上場企業であり、安心して利用することができます。
ただし、年収が一定以下だとエージェントの稼働状況によっては登録を断られてしまうケースもあるので、注意が必要です。
7.転職エージェントを利用すべき人
転職エージェントはすべての方に利用してもらいたいサービスですが、初めて利用を検討されている場合は、登録を迷われる方もいると思います。
そこで次は、転職エージェントを利用することで得られるメリットが多い方を、特徴別にご紹介していきます。
以下の特徴に一つでも当てはまる場合は、ぜひ転職エージェントを活用して転職活動を行っていただければと思います。
7-1.自分のキャリアプランが明確でない人
自分のやりたいことを仕事にするできている人は本当に一握りです。現職でやりたいことができないから、という理由で転職活動をされるのも大切ですが、そのやりたいことは本当に定まっているのでしょうか。
自分の中で明確な指針やキャリアプランが定まっていない方は、転職に成功しても同じ理由で転職を繰り返すことになります。それは、目的が明確でないためどこに行っても「何となく違う」となる、青い鳥症候群に陥っているためです。
転職活動では、まず自分が何をしたいのかを明らかにすることが大切です。その上で、自分にできることや自分のスキルを必要としている企業に挑戦していくのです。
転職エージェントは数多くの転職希望者と接してきている中で、転職希望者がどういったことをしたいのか、どういったキャリアプランを築いていくのが良いのかについて適切なアドバイスをくれます。
過去の実績や実例をもとにアドバイスをくれるので、自分一人で判断をするよりも精度を高めることができるでしょう。
転職するかは迷っているが、自分が何をしたいかをはっきりさせたい方は、まずは相談ベースでの利用でも良いと思います。
7-2.未経験の業種にチャレンジしたい人
未経験の業種に転職する際には、通常の転職よりもより細かな企業研究が求められます。異業種への転職は、実情よりもなんとなくの興味関心やイメージで転職する方が多いためです。
多くの場合、良くも悪くもイメージと実情は異なります。そのため、入社後のギャップが大きく、すぐに辞めてしまうケースも発生してしまうのです。
転職エージェントを利用することで、業界に精通した担当者から実情を含めた業務内容を知ることができます。直接疑問をぶつけることができるので、イメージと現実のギャップを明確に埋めることが可能となるのです。
企業面接でも、異業種からの転職希望者が業界のことを詳しく知っていると、よく勉強していると好印象を持たれると思います。
入社後のギャップを最小限に留めるためにも、未経験の領域に転職される方には転職エージェントの利用をおすすめしています。
7-3.現職が多忙な人・内勤の人
普段からオフィスで内勤の方は、平日の昼間に面接に訪れることがなかなか困難です。また、現職が多忙で有給を取りづらく、なかなか転職活動に踏み切れない場合もあるでしょう。
転職エージェントを利用することで、スケジュール調整を円滑に行うことができます。最終面接は難しいかもしれませんが、1次面接であれば営業時間外や土日に調整してもらうことも場合によっては可能です。
複数の選考を進めている方は同日にまとめて行うなど、有給を取らなければならない内勤の方にとっては、利用価値の高いポイントとなります。
7-4.面接に自信がない人
現職での実績がある方でも、面接という場で自分自身を売り込むことが不得意な方は一定数います。そういった方は、面接で少なからず損をしてしまうのです。
転職エージェントのメリットでもあった通り、エージェントを活用することで面接の不得意をカバーすることができます。
面接内容の事前確認や、面接のロールプレイ。また、面接後に人事担当者にエージェントが直接プッシュしてくれることもあるので、「面接が苦手な方だが意欲は高い」といったフォローを入れてもらえます。
7-5.多くの企業を受けたい人
複数企業の選考を同時に進めるにあたって問題になるのが、内定の回答期間です。
多くの企業が内定の提示から一週間以内の返答を求めます。そのため、複数の企業で内定が出された場合に回答期間内にいずれかの企業を選べるようなスケジュール調整しなければならないのです。
志望度の低い企業から先に内定をもらえてしまった場合は、回答期間内に別の志望度の高い企業の内定が出なければ見送らざるをえないという状況になってしまいます。これでは複数の企業に応募する意味がありません。
転職エージェントを利用することで複数の企業間で同時期に内定が出るようスケジュール調整をしてもらうことができます。
短期間で転職活動を終わらせるためにも、複数の企業に応募するのはするのは有効な方法です。複数の企業から内定が出た際にどちらかを選べるように、余裕のあるスケジュール調整をしてもらいましょう。
7-6.ブラック企業を絶対に避けたい人
いわゆるブラック企業に入社してしまう原因は、事前の情報収集が甘いことに尽きるでしょう。社風や文化といった求人票に載らない内情まで把握した上で入社の決断をするのが、ブラック企業に引っかからないための最善の方法です。
転職エージェントを利用することで、この企業の内情を知ることができます。残業時間や離職率なども予め知った上で転職することができるので、入社後にブラックだった、というケースはほぼないのです。
余談ではありますが、転職エージェントが企業側から報酬を受け取れるのは、内定者が3ヶ月(研修期間)ほど勤務した後であるケースが多いです。
そのため、エージェントがブラック企業を紹介すると研修期間で離職してしまうこともあり、誰にとってもメリットは無いことになるのです。エージェントとしても長く勤めてもらうために優良な案件を探し出し、提供しています。
そういった意味でも、転職エージェントを利用することでブラック企業を避けられる可能性は高くなるのです。
8.転職エージェントの活用術
最後に、転職エージェントをより効果的に活用する方法をお伝えします。ここまでで解説している通り、転職エージェントは人対人のサービスです。
最低限のマナーを守るのはもちろんのこと、そのうえで、転職エージェントからも「この人を支援したい」と思われるように印象づけてマイナスになることはありません。
転職エージェントにより積極的に動いてもらうためのポイントをいくつかご紹介します。
8-1.エージェントへの連絡は即時行う
以前、転職エージェントの方に取材をした際に「転職がすぐ決まる方の共通点は?」という質問をさせていただきました。そのエージェントの方の回答はシンプルで、「メールなどの返信が早い方」ということでした。
数十人、多い方であれば十数人の転職希望者を抱えている転職エージェント(最大手のリクルートエージェントでは、100人近い転職希望者を担当されているエージェントの方もいました)。
そんななかで円滑に転職活動のサポートを受けるためには、即時連絡を返すことが大切であるといえます。返信があまりにも遅いと、エージェントの方の対応も後回しになってしまうことが否めないためです。
大手のエージェントであれば、転職希望者のサイトのログイン履歴が一覧で見られるシステムを導入している企業もあります。優良な求人案件が転職エージェントの元に入ってきたとすると、エージェントはログイン頻度の高い、すなわち熱意の高い転職希望者から紹介していく可能性が高いでしょう。
そういった意味でも迅速かつ頻繁な連絡は心がけ、エージェントからの連絡が遅いなと思った際にはこちらから率先して連絡することもポイントとなります。
8-2.今すぐ転職したい旨を伝える
転職エージェントに優先して対応してもらうためには、転職の意志が堅いことを表明することも重要です。年内に転職を希望される方と3ヶ月以内に転職を希望される方では、もちろん3ヶ月以内に転職される方が優先されます。
仮に現在転職するつもりがなく情報収集のために転職エージェントを利用する場合でも、「理想的な求人があれば今すぐにでも転職したい」という旨をお伝えしておきましょう。
転職時期については登録後のキャリアカウンセリング面談で尋ねられますので、その際にお伝えします。
8-3.面談や職務経歴書で嘘をつかない
基本的なことですが、転職エージェントとのコミュニケーションで虚偽の申告は絶対に避けるようにしましょう。
仮に虚偽の申告をしてしまうと、エージェントとの信頼関係が崩れるばかりか、誤った人材を紹介してしまったとして、エージェントと企業側の信頼関係も危うくなってしまいます。
将来的にまたエージェントにお世話になる可能性は決して低いものではないので、今後も良好な関係を築いていけるよう正しい経歴を共有するようにしましょう。
なお、エージェントに伝えたことが企業側に直接伝わることはなく、ネガティブな情報でもエージェントが取捨選択をした上で報告してくれます。その点はご安心ください。
8-4.複数のエージェントで、同じ求人案件に応募しない
複数の転職エージェントを利用すべきであることは本稿で触れてきましたが、それぞれのエージェントで同じ求人案件を紹介されることは珍しくありません。
そこで、少しでも通過率をあげようと2社(以上)から同時に応募してしまうと、どちらも通過した際に、いずれかのエージェントを選択しなければならなくなってしまいます。
また、場合によっては企業側から同時に応募が来ているとエージェント側に共有され、不信感がつのってしまうことも。
エージェントや企業と円滑に転職活動をすすめるためにも、1案件1エージェントを守るようにしましょう。
8-5.相性が悪い場合には、担当者の変更を申し出る
最後のポイントは、エージェントとの相性が悪い場合は担当者の変更を申し出るということです。
「失敗しない転職エージェントの選び方」でもご紹介しましたが、相性の悪いエージェント会社は退会し、エージェント会社の選定を行うことを推奨しています。
しかしながら、特に大手のエージェントで起こりがちなのですが、担当者は変えたいけれど求人内容は豊富でエージェント会社自体は引き続き利用したいということが発生します。
そういった場合には、早急に担当者の変更を申し出るようにしましょう。
転職希望者が相性が悪いと思っている場合には、エージェント側も同様の印象を持っていることが少なくありません。また、エージェントは多くの担当者を抱えているので、仮に変更を申し出ても引き止めずに承諾してくれます。
ウィンウィンな状態で転職活動を進めていくためにも、別の方にお願いしたいと感じた際は早急にお伝えするようにしましょう。
余談ではありますが、大手の転職エージェントではこの問題について改善が進んでおり、登録時に担当者変更の申請方法をアナウンスされる場合もあります。
このことからも担当者の変更は一般的なことであり、自分の人生のためにも申し訳無さを堪えて、お願いするようにしましょう。
9.まとめ
転職エージェントに焦点を絞って、使い方からメリット、選び方やおすすめのエージェント会社までをご紹介しました。
今回の記事で特にお伝えしたかったのは、転職エージェントはマンツーマンのサービスなので、担当エージェントのスキルや力量によって成功率が大きく変わってしまうということです。
自分に合ったエージェントに登録するよりは、登録後にエージェントを精査していくことが大切になります。
本稿でもご紹介した通り、転職エージェントのメリットは計り知れないほど豊富にあります。複数のエージェント会社に登録し、そのメリットを余すことなく受けられるようにしましょう。