検索エンジンに「1000万円 転職」を入力すると、1000万円以上の求人案件が上位に並びます。しかし、本当に1000万円の転職を行っている方は、実はそういったサイトをほとんど見ていないことを知っていましたか――?

会社員としてお勤めの方にとって、1つのマイルストーンとも呼べる年収額といえば1000万円ではないでしょうか。

きっと、身近な方でも1000万円という額に達している方は少なからずいるでしょう。しかし、日本全体の平均で見るとこの金額の給与を獲得するのはなかなかに狭き門なのです。

また既にその額を達成している方でも、転職によって1000万円を割ってしまうというケースもあるでしょう。転職において、達成することと同様に年収を維持させることは重要なポイントとなります。

本稿では、「年収1000万円の転職」に焦点を当て、そもそも1000万円を獲得している給与所得者は日本にどれだけいるのか、そして、そういった方々はどのような経路で転職を行っているのかをご紹介していきます。

1.年収1000万の給与所得者はどれくらいいるのか

年収1000万円 転職

まず、年収1000万円の給与所得者が日本にどれだけいるのかを見ていきたいと思います。

国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収の分布は上記グラフのようになります。年収1000万円を超える給与所得者は、全体のうちわずか4.28%にとどまっているのです。

また、同調査によると日本人の平均年収は421万6千円であり、男性に限定すると521万1千円となっています。

平均年収の約2倍を稼ぎ出す会社員は100人のうち4人程度にとどまり、なかなかに狭き門であることが分かります。

2.年収1000万円以上の方の転職方法とは

年収1000万円 転職

では、この4%強の1000万円を超える給与所得者はどのような方法で転職活動を行うのでしょうか。

冒頭でも紹介しましたが、検索エンジンに「1000万円 転職」を入力すると、1000万円以上の求人案件を紹介する転職サイトが表示され、応募や登録を行えるようになっています。

しかしながら、実際に1000万円を獲得している方々がそういった転職サイト経由で転職活動を行うのは稀(まれ)なケースなのです。

人材紹介会社のエン・ジャパンが発表した「年収1000万円以上の転職事情」という調査によれば、転職活動の経路について以下のような結果が明らかになっています。

複数回答ではありますが、「スカウト/ヘッドハンティング」の割合が80%弱を占め、次点で「個人の人脈・繋がり」「企業からの引き抜き」と続きます。

この時点でお分かりかと思いますが、上位3つに求人サイト経由の転職者がいないのです。自ら求人サイトに登録し、求人情報に応募する方はわずか17%にとどまっています。

複数回答にも関わらず17%にとどまっていることから、全体の80%以上はスカウトや引き抜きなど、縁故経由での転職活動を行っていることが分かります。

このため、年収1000万円の方、また、1000万円を目指した転職活動を行う方は転職サイトを見ても効率的な転職活動に繋がるとは考えづらいのです。

3.スカウト型転職サービスを利用する

年収1000万円 転職

1000万円台の転職活動ではスカウトやヘッドハンティング、個人の繋がりや企業側からの引き抜きが中心であることが分かりました。

しかし中心となっているこれらの経路は、基本的には受動的な転職方法です。企業、あるいはヘッドハンターからのアプローチを待つため、自分で転職時期をコントロールできないという難点があります。

そこで利用したいのがスカウト型の転職サービスです。

スカウト型の転職サービスは、積極的にヘッドハンターにアプローチを取ることができる転職サービスを指します。

このサービスでは、会員登録をすることでスカウト型転職サービスが保有するデータベースに職務経歴などのレジュメが掲載されます。このレジュメは企業から採用者獲得の依頼をされたヘッドハンターが閲覧する事ができ、最適な人材だと判断されると直接アプローチがあるのです。

ヘッドハンターが閲覧するリストに名を連ねることによって、待ち続けるよりも能動的に「1000万円以上の転職者が利用する転職方法」にアクセスすることができるのです。

ここでは、大手のスカウト型転職サービスを3社ご紹介します。いずれもハイキャリア層を対象にしたサービスです。より多くのスカウトと巡り合うチャンスを広げるため、転職を検討されている方はすべてに登録するようにしましょう。

3-1.BIZREACH(ビズリーチ)

テレビCMでもお馴染みのスカウト型転職サービスがビズリーチです。管理職やグローバル人材など、ハイキャリアの転職希望者支援に特化しています。

ビズリーチはレジュメを登録することで、企業に採用を任されたヘッドハンターや企業の人事担当者から直接声をかけてもらうことができます。

通常、スカウト型の転職サービスはヘッドハンターからのアプローチが主流になります。しかし、ビズリーチではデータベースを一部の優良企業にも公開しており、両者からのスカウトを貰える可能性があるのです。

データベースを閲覧できる企業並びにヘッドハンターは、全てビズリーチ側の審査を通過した優良な方々ばかりです。求人の質が担保されているので、効率的に転職活動を行うことができます。

ただし、ビズリーチは利用に月額料金が発生する会員制サービスです。これは登録をしている人材を本気度の高い転職希望者で固める狙いがあります。

企業・ヘッドハンターがわからみても優良な人材の集まるサービスとなっているため、アプローチをする頻度が高いことが予想されるでしょう。

>BIZREACH(ビズリーチ)の公式サイトはこちら

3-2.CAREER CARVER(キャリアカーバー)

CAREER CARVER

出典:CAREER CARVER

キャリアカーバーは転職業界最大手のリクルートが運営しているスカウト型の転職サービスです。こちらもハイクラスを対象としたサービスとなっています。

匿名のレジュメ(経歴やプロフィール)を登録することで、ヘッドハンターからのスカウトを受けることができます。

ビズリーチと違い、キャリアカーバーのレジュメは企業側に見られることがありません。アプローチの幅が狭まってしまうというデメリットはあるものの、採用担当者に気を遣うことなくありのままの要望や希望を記載することができるようになっています。

キャリアカーバーは100社800名以上のヘッドハンターと契約を結んでいます。ヘッドハンターは一人ひとりの詳細ページがあり、また場合によっては個人インタビューも掲載されています。スカウトがあった際は、そのヘッドハンターの実績を確認することができるのです。

エージェント側からのアプローチであるという点を考慮し、多くのヘッドハンターからアプローチが来るような仕組みになっているのが特徴と言えるでしょう。

>CAREERCARVER(キャリアカーバー)の公式サイトはこちら

3-3.エグゼクティブ転職

エグゼクティブ転職は日本経済新聞社と日経HRが共同で運営するエグゼクティブ向けの転職支援サービスです。その名の通り、エグゼクティブ(ハイキャリア層)を対象としています。

ビズリーチ、キャリアカーバー同様に、登録をすることでヘッドハンターからのアプローチを受けることが可能になります。スカウト経由での求人数は8万件以上にのぼり、さまざまな求人ニーズに対応していることが予測されます。

また、エグゼクティブ転職で特徴的なのはスカウトを待つばかりではなく、転職希望者側からもアプローチを掛けることができる点でしょう。

「経営幹部・役員」「海外勤務」「年収1,500万円以上」「スタートアップ・成長企業」などの特徴ごとに分けられた求人へ、転職者側から応募することができます。

ヘッドハンターとのマッチング後は、マンツーマンでの転職サポートを行ってくれます。応募書類の添削や面接の対策まで、選考確度をあげるためのノウハウを徹底的にサポートしてくれるのも大きなメリットでしょう。

>エグゼクティブ転職公式サイトはこちら

4.転職成功実績が多い職種

年収1000万円 転職

1000万円を超える転職者は、スカウト経由の転職活動が主流であることがわかりました。それでは、職種としてはどのような傾向にあるのでしょうか。

エン・ジャパンの「年収1000万円以上の転職事情」によると、以下のような調査結果となりました。

職種としては、「経営・経営企画・事業企画系」が5割弱となり、半数近くを占める結果となりました。事業の推進に関与ししている経営層は待遇が手厚く、1000万を超える年収の会社員の多くはこのポジションに属しているのです。

該当ポジションでは経営の知識はもちろんのこと、マネジメント経験やグローバル人材としての専門性なども求められる傾向にあります。これらのスキルは市場価値が高く、キャリア構築においても欠かせない要素となるでしょう。

5.年収1000万円以上の転職での、悩みの種

年収1000万円 転職

それでは、年収1000万円以上の方はどういった点で転職時に苦労をするのでしょうか。こちらも、エン・ジャパンの調査を参照しつつ探ってきたいと思います。

「経験を活かせるポジションの求人がない」また「給与・待遇が希望と合わない」の2点がいずれも半数を超え、共通している悩みの種であるようです。

一般的に年収が高くなればなるほどスキルの専門性が高くなります。一貫した実務経験が評価され、実績にもとづいた待遇となる傾向にあるためです。

そのため、その分野でどれだけ突出した実績とスキルがあったとしても、その得意分野に対して高い精度で一致した職種がないと高年収でのマッチングが難しくなってしまうのです。

また、一度高い年収に達してしまうと既存のステータス(役職・待遇・企業規模)に拘泥するあまり、相当の求人がなかなか見つからない場合も。または現職との比較に時間を掛けすぎて企業側がアプローチを止めてしまうケースも少なからずあるようです。

加えて、年収を落とさないことに終始してしまうと、志望動機の詰めが甘くなってしまうこともあります。

年収1000万円を超える給与所得者は、年収を維持しようとすれば採用確度が低くなってしまい、転職をするためにはどうしても年収を下げなければならないこともあるという実情が伺えます。

6.求人を確認する上での5つのポイント

年収1000万円 転職

では、年収1000万円以上の方々が納得のいく転職を成功させるためには、どういったポイントに着目する必要があるのでしょうか。

これはスカウトを受けた場合でも、提示された求人に関する観点として持っておきたいポイントとなります。

年収が1000万円を越えている方が転職を行う際も、1000万円を目標として転職を行う際も、いずれも心がけておくべき内容となります。ぜひご確認下さい。

6-1.企業の規模にとらわれない

上で掲載した年収1000万円以上の方に多い職種の第1位は「経営・経営企画・事業企画系」でしたが、役員と呼ばれる経営層になるためには、中小企業のほうが人数が少ないぶん実現可能性が高まるでしょう。

ベンチャーなど成長企業では若い年代での経営層や役職付きへの抜擢も十分に考えられます。規模の大きな企業へ転職することが年収1000万円の最適解ではないのです。

6-2.成果型報酬の職種を探す

年収1000万円以上の方に多い職種の1位は「経営・経営企画・事業企画系」でしたが、2位には「営業・マーケティング」職がランクインしています。

特に営業職は成果が直結する業種です。優秀な営業マンであれば成果報酬の体系が整っている求人を見つけることで、年収のアップや維持が実現する可能性があります。

6-3.給与規定を見極める

どのような基準で給与を支払うのか、また、どのような基準で昇給していくのかを定めた給与規定というものが各社それぞれあります。この給与規定が高い水準にある企業を狙うのは、一つの戦略として考えられるでしょう。

管理職についている社員の年収や昇給制度についてを確認し、給与規定が高い水準で整っているかどうかを調査することも重要です。

6-4.転職時の給与にはこだわらない

年収を落とさないこと、また1000万円を達成することに執着するあまり、自分のやりたい仕事ができなくなってしまうケースもあります。転職時にある程度年収を落としたとしても、転職後の実績で1000万円の水準に戻す(到達する)ことは十分に可能です。

年収に拘るあまりやりたくない仕事についてしまうのが最も危険です。転職後の持続可能性を考慮しても、自分にとってその仕事をどう捉えているのかといった「価値観」を重要視するようにしましょう。

6-5.腰を据えた転職活動を行う

1000万円クラスの転職は、率直に難易度が高いと言えるでしょう。「5.年収1000万円以上の転職で苦労するポイント」で紹介した悩みはもちろんのこと、そもそもの求人数が少ないという難点があります。

転職市場の状況やハイクラス求人の出現頻度を考慮すると、中長期期な転職活動に臨むことが重要です。「もし良い案件があれば検討する」くらいの心構えで転職を考え、急いで転職しなければならないような状況にならないよう予防することが大切です。

7.まとめ

年収1000万円 転職

年収1000万円は、たった4%の狭き門です。また、達成すること以上に年収を維持することも簡単ではありません。失敗しない転職には、通常の転職とは異なる悩みやポイントを踏まえる必要があります。

1000万円というボーダーにかかわらず、ハイキャリア層の転職活動ではスカウトサービスが有効です。そのためには、ヘッドハンターから声がかかるような専門性を身に着け、キャリアを構築していかなければなりません。

今すぐ転職を希望していなかったとしても、現状の市場価値を知ることは大切です。年収1000万円の転職を行いたい方だけでなく、キャリア形成に興味のある方も本稿で紹介したスカウト型の転職支援サービスに登録されてはいかがでしょうか。