仕事もプライベートもそこそこ充実しているけど、なんとなく不安がつきまとっている感覚。みなさんも感じたことがあるのではないでしょうか。その多くが将来に対する漠然な不安だと思います。
先の見えないことに対する不安は、誰もが抱えていることで、残念ながら未来永劫なくなることはありません。しかし、その原因を理解して行動を起こしていけば、自身の望む方向へ進むことは可能です。
この記事では、日本の現代人が抱く将来に対する不安を、3つのキーワードから紐解き、ネクストアクションに繋げる考え方のヒントをご紹介していきます。
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目次
将来に感じる「理由なき不安」の正体とは?
そもそも、将来に対する不安の正体とは、一体何でしょうか?
心理学者マズローが発見した「人間の五段階欲求」を参考に、まずは不安のメカニズムについて見てきましょう。
人間は、生活の基盤となる根本的なレベルの欲求を満たした後で、高いレベルの欲求を満たそうとすると言われています。
食欲や睡眠欲などの生理的な欲求から始まり、その後、安全であるための欲求、所属場所や愛を求める欲求というように、段階的に高次な欲求へと移るのです。
また、最初の4段階の欲求は「欠乏欲求」と呼ばれ、満たされないと不安や緊張状態を覚えることが明らかになっています。そのため、将来的に低次欲求が脅かされる状況に対して、人間は不安を感じやすいと考えられます。
安全の欲求を保つには、衣食住を守るためのお金が、所属と愛の欲求以上を保つには、仕事や自分を取り巻く人間関係が重要となってきます。
そこで、ここでは「お金」「仕事」「人間関係」という3つのキーワードから、将来に関する不安な気持ちを紐解いていきたいと思います。
お金に関する不安
1つ目に、お金に関する不安です。最低限の生活を送るためのお金の心配はもちろんですが、ある程度の貯蓄があったとしても、不安に感じてしまうことがあるのはなぜでしょうか。
それは、所得の多さと人生幸福度は比例しないという、有名な調査例がヒントになるかもしれません。
日本の場合には、年収800万円を超えると、幸福度はほとんど上昇しなくなると言われていますが、この調査研究は2010年の「米国科学アカデミー紀要」で発表され、大きな反響を呼びました。
人間の欲には上限がないので、お金を持っていた方が手に入るものも多いですし、老後の不安も減るはずです。800万円という一定のラインを越えたら、幸福度が上がらなくなるのなら、わざわざ自分の年収の伸び悩みを気にしたり、不安になったりする必要はないような気がしてきます。
しかし、「幸せになるためのお金」を、もう少し違う方向から考えてみましょう。例えば、貯蓄があればあるほど、自分が病気になった時のこと、子育てや親の介護にかかる費用などへの心配も和らぎます。最近では不況や新型コロナの影響で仕事に就けなくなる人も少なくないですが、万が一のことが起こった時に、生活が立ちいかなくなる「不幸を防ぐ」ための底上げ手段として、お金はあればあるほど有効です。
つまり、お金で幸せを買うには限度があるけれども、お金で防ぐことのできる不幸は多いということです。
そのため、幸福度が下がらないための下限の額を知ることで、収入の目標値が明確となり、漠然とした不安を軽減することができます。
仕事に関する不安
次に、仕事に関する不安についてです。
「今の職場や職種、働き方のままで、この先も仕事をもらい続けられるだろうか」「人生100年時代と言われているけど、老後までお金に困らずいられるだろうか」悩みのタネの多くは、職の安定だと思います。
近年は正社員であっても、雇用的に安定した立場とは言い切れません。バブル崩壊後からのデフレの傾向や、国際化の波により経営が厳しくなった企業は、正社員をリストラし、派遣社員という形で従業員を雇うようになりました。それだけでなく、直近の新型コロナの影響によるレイオフや、外国人労働者の増加による就職競争激化、そして社会保険料負担増加によって自らフリーランスを選ぶ一定層が増えるなど、終身雇用制や年功序列といった、日本型の雇用制度は崩れていっています。
すでに、雇用形態で100%身の安全を確保できる時代ではなくなっているのです。
そう考えた時に、仮に退職せざるを得なくなった場合、今の自分のスキルで他に働き先が見つかるのかどうか心配になります。転職ありきの時代に突入しているので、その競争に勝てるかどうかも鍵になりそうです。
また、AIの存在も1つの脅威になってきています。ここ数年で、AI搭載の製品やシステムが、ビジネスの場から日常的にも幅広く使用されるようになりました。便利になる一方で、「AIによって人の仕事が奪われる」といった内容の議論も尽きることがありません。2015年に出された野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究では、「2030〜2040年には日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、人工知能やロボットに代替することが可能である」という衝撃的な報告もされています。
もしこれが本当であれば、自分の立場にも何かしらの影響があるのではないか、不安に感じる声が多く上がっているのです。
テレワークやフリーランスという働き方が増えてきた今後の日本において、働き方はどのように変わっていくのでしょうか?別記事「終身雇用が保証されない時代、これからの働き方はどう変わる?個人が取るべき対策とは」にて、その展望を詳しくご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
人間関係に関する不安
次に人間関係に関する悩みについてです。
人の社会で生きていく以上は、他人と関わることは避けられません。有名な心理学者アドラーの言葉にも「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というものがあるほどです。ここでは、ビジネスパーソンの多くが頭を悩ます人間関係について見ていきましょう。
まず第一に考えられるのは、職場での人間関係です。上司や取引先、後輩への配慮など、相手や場面によって適切な立ち振る舞いが求められる社会人。相性の悪い人と仕事をしなければならない時に、変わらず力を発揮できるのか心配になってしまいますよね。仕事は人生の中でも多くの時間を費やす対象なので、できればストレスを抑えたいところです。
一方で、プライベートでは孤独を感じる人が多いというのが、日本人の特徴です。なんとなく孤独を感じて、不安になってしまうことは誰しも平等にあります。しかし、誰にも頼ることができず、本当の意味で孤独な状態に陥り、寂しい気持ちを持ち続けてしまうと、健康にも悪影響を与えます。孤独な気持ちに上手く折り合いをつけること、ありのままの自分でいられる場所を見つけることが鍵になりそうです。
不安に対して「何もしない」は「現状維持」ではなく「後退」
「お金」「仕事」「人間関係」という3つの観点から、不安の正体を探ってきました。正体がわからない漠然とした不安を抱えているうちは具体的な対策を浮かべることは難しいですが、問題を知って課題に気がつくことで行動を選択できます。
また、今のままで問題がない場合でも、世の中はどんどん変化していきます。じっと身を潜めているよりも、できることを探して動き続けることこそ、安定と言えるのかもしれません。
何もしないまま、リスクを取らざるを得ない状況に追い込まれるか、自発的にリスクを取りに行くかで、その後の状況は変わってくるのです。
将来の不安から脱却するための考え方
ここまで、現代の日本人が抱えやすい不安について解説してきました。課題がクリアになってきたところで、この不安との付き合い方のヒントをご紹介していきます。
お金|現状を把握して計画を立てる
お金はあればあるほど、必ずしも「幸せ」になるわけではないことがわかりました。しかし、生活の質を保つことや、病気になった時の備えなど、お金を「不幸を防ぐ」ための底上げ手段と考えることは大切です。
では、どのように将来のお金について考えていけばいいのでしょうか。
1. 収入と支出を整理する
お金に対する不安をなくすには、まずは現状整理が欠かせません。現在の収入で、月々どのくらいの貯蓄ができるのかを整理してみましょう。先々に必要になってくるお金と、自由に使えるお金を分けるだけでも、やるべきことが明確になります。
2. 家族とお金の話をする
社会人となると、自分のためのお金だけではなく、結婚して家族のためのお金についても気にしなければならない人も少なくないと思います。親の老後についてや、自分の子供の教育費など、今すぐに必要はなくても、将来的にないと困るものも多いですよね。
特に、自分の親と介護の費用はどうするか、老後の貯蓄状況の確認などは、話し合いができるうちに把握しておくことが大切です。介護とその費用も必要となった時に、貯蓄がないと共倒れになってしまうこともあるからです。なかなか機会を設けないと話しづらい内容ですが、必要なお金は早いうちから準備しておくことが、不安解消に繋がります。
配偶者がいる場合には、お互いの収入や財産を含めて、貯蓄額の目標設定をしていきましょう。
3. 副業などで収入を増やす
貯蓄のために収入の余裕が欲しい場合には、副業を検討することもおすすめです。
副業を選ぶポイントは、個人的なスキルアップに繋がるものや、リモート可能な仕事を選ぶことです。収入アップだけでなく、転職や将来のワークスタイルにも幅を作ることができます。
副業にもつながる自己投資について、別記事「20〜30代でやるべき自己投資|目的別投資先と資金調達方法」で詳しく紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
仕事|自分の現在地を知る
仕事に関する不安の対処法としては、自分に必要なスキルを知って準備していくことが大切です。
1. 新しい技術やビジネスの流れに敏感になる
総務省が出した『平成28年版 情報通信白書』によると、将来AI技術によって代替される可能性が高い職業は、49%であるとされています。しかし、それは単なる雇用の減少ではなく、変化という意味でもとらえられます。AIの活用で代替が進んでいるのは、単純作業の繰り返しや、AIの方が素早くミスなくこなせるようなタスクが主です。そうすることで、人はより知的で創造的な仕事に集中できるようになるためです。このように、リソースを割けるタスクが変わる分、別の新しい業務が生まれるとも考えられるのです。
例えば、1980年以降の米国で、パソコンなどのICTの普及が企業内で進んだ時にも、似たような問題がありました。一時期はパソコンを使えるかどうかで失業、所得格差などが問題となりましたが、ICTでは行えないルーティングジョブやマニュアルワークへの需要も同時に増えたそうです。そのような仕事が雇用の受け皿となり、難を逃れたと言われています。
自分の持っているスキルの中で伸ばしていくべきポイントは何か、常に探っておくことで備えができるのです。
2. 転職サービスを利用して自分の市場価値を知る
すぐに転職を考えていなくとも、転職エージェントで雇用の市場を俯瞰してみるのはおすすめです。
転職エージェントの利用者の中には、「転職すべきかどうかを知りたい」という人も多く、漠然とした思いを整理するのにも、キャリアカウンセリングを利用してみるといいでしょう。キャリアアドバイザーの目で客観的に見てもらうことで、自分の現在地を把握することができます。
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3.スキルを身につける
自分の強みや、伸ばすべきスキルが分かれば行動に移せます。
社内で新しいことに挑戦してみるでもいいですし、資格を取って専門性を高めることもおすすめです。色々なサービスが
ある中でもオンライン英会話は、忙しい人でも自分のペースで気軽に始められるのでおすすめです。
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人間関係|不安な気持ちを肯定する
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という有名な言葉を逆説的に捉えると、人間関係の悩みを小さくできれば、大抵のことは気にならなくなるとも考えられます。
では、そのためにどのようなアプローチができるのでしょうか。
1. 労働環境を変えてみる
「現在の環境に違和感があり、この先も上手くやっていけるのか分からない」「もっと自分らしく力を発揮できる場所があるのではないか」そう思っている場合は、思い切って働く環境を変えてみるのも一つの手です。
今すぐに人間環境を変える方法には、主に退職と転職があります。
もちろん、自分の苦手なことに立ち向かうことで得られる成長もありますが、心理的安全性を保つことが仕事のパフォーマンス向上にも結びつきます。自分の達成したいことが何なのかを見つめ直した先に、本当にこの場所が適切なのかを考えてみるといいでしょう。
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また、働く拠点を増やすことも環境の変え方の一つです。
副業を通して、普段とは違う仲間や相手と働くことで得られる気づきが、本業にもプラスに生きてくるケースもあります。人によっては多拠点のほうがパフォーマンスが上がる場合もあります。働き方が多様化している世の中なので、いきなり
転職は難しいという方でも、行動に起こしやすいのではないでしょうか。
2. セルフケアを学ぶ
対人関係で疲れ果ててしまわないためには、セルフケアをすることも肝心です。ヨガや瞑想、ジムにいく時間を設けるなど、リフレッシュをするために、ほんの少しルーティンを作るだけで心に余裕が生まれるものです。最近流行中のサウナは、体の健康だけでなく心の健康にも良いとされています。自分が楽しいと思うもので、習慣化していくことがおすすめです。
また、心理学の考え方を使って、自分の思考の癖を学ぶことも効果的です。人は自身の思考の歪みによって、物事や人との関係を複雑にしてしまうことがあるからです。
例えば、苦手だと思っていた相手をよく観察してみると、自分の嫌なところがそっくりだった。そんな経験はありませんか。これは自己投影と呼ばれるもので、相手が悪気なくやったことにも過度に反応し、関係性を悪化させてしまうこともあるのです。本当に相手に落ち度があったのか、思い込みで判断していないか事実と感情を整理するだけで、人間関係の悩みが軽減されることもあります。
これは一つの例ですが、心理学はビジネスの場でも大いに役立つものです。ベストセラー本となった「嫌われる勇気」(岸見 一郎/古賀 史健:著、2013年)を筆頭に、心理学を元にしたセルフマネジメント本は多く出版されているので、そこから学んでみるといいでしょう。長く自分を助けてくれる知恵となります。
デスクワークの対策に!代謝もあがる「ヨガ」

出典:SOELU
「ヨガ」はデスクワークによる肩こり解消や、心を落ち着かせる効果などがあるとされ、ビジネスパーソンにも注目されています。
ヨガスタジオに行かなくても自宅で簡単にできるサービスSOELUも出てきており、出勤前や就寝前に手軽に始められます。月額980円で手頃に始められるのも魅力的なポイントです。
SOELU
3. サード・プレイスを見つける
自宅や職場とは離れた、自分の肩書きを忘れることのできる第3の居場所を「サード・プレイス」と呼びます。
サード・プレイスの例としては、公園やクラブ、行きつけのバーなどもその一つに入るでしょう。ありのままの自分でいられる場所や、普段の自分の役割から距離を置けるような居場所があると心も安定します。
同じ趣味を持った人同士の繋がりは、サード・プレイスになりやすいので積極的に参加してみるのもおすすめです。孤独は誰しもが感じることでなくなることはないので、その感情とどう向き合うかが大切です。人間は元来孤独であることを受け入れた上で、楽しめる方法を探しましょう。
社会人にとってのサードプレイスが見つかる習い事について、別記事「忙しい社会人でも気軽に始められる習い事|目的別に20選を紹介!」で詳しく紹介しています。いつもと違う自分探しに、ぜひお役立てください。
見えない将来を気にするよりも、今できることを探す
どうしても見えない不安に支配されて、身動きが取れなってしまうという方こそ、自分の人生最後の日を想像してみてください。「死」について考えることは、同時に「生」について考えることでもあります。
あと何十年も生きられるかもしれないし、明日にはこの世界からいなくなっている可能性ももちろんあります。そう考えた時に、マイナスの感情を抱えたまま何もできない自分と、ポジティブに今できることに挑戦する自分、あなたはどちらを選びたいでしょうか。
「もしも一年後、この世にいないとしたら。」といった著書や、「100日後に死ぬワニ」が流行しているのも、何気ない1日1日を大切にしようとする姿勢に、多くの共感が集まっているのではないでしょうか。
また、生きていく中で「不安」を感じるからこそ、今を見つめ直し、次なる行動を考え、実行することができます。不安な気持ちは、成長や発展へつながる、ある意味ではポジティブで不可欠な感情なのかもしれません。
まとめ|不安な気持ちは前に進むためのヒント
漠然とした不安への対処法は、自分の問題を整理することが一番です。そして、問題を可視化できたときに、行動を起こすかどうかはあなた自身です。できることを少しずつ始めることが、本当の意味での不安解消の第一歩かもしれません。
▼お金に関する不安
- 収入と支出を整理する
- 家族とお金の話をする
- 副業などで収入を増やす
▼仕事に関する不安
- 新しい技術やビジネスの流れに敏感になる
- 転職エージェントを利用してみる
▼人間関係に関する不安
- 労働環境を変えてみる
- セルフケアを学ぶ
- サード・プレイスを見つける
この記事が、少しでもお役に立てましたら幸いです。
- リモートワーク可が多い職種や業種
- リモートワークで生産性を下げないコツ
- リモートワークを探せる転職エージェント